関空、路線増へ着陸料など負担軽減-中期戦略、LCC強化で新施設も

  • 2012年10月25日

新関西国際空港会社代表取締役社長・CEOの安藤圭一氏 新関西国際空港会社は10月24日、2012年度から2014年度までの中期経営計画を発表した。関空、伊丹両空港の事業価値を最大化し、早ければ14年度をめどに完全民間運営化をはかる。25日に東京で開催した記者会見で、同社代表取締役社長CEOの安藤圭一氏は「航空会社とWin-Winの関係を築き、航空会社が就航したい空港にすることで、利用者を増やしていきたい」と意欲を示した。

 経営計画では重点プロジェクトとして、航空会社のコスト削減のための料金戦略、旅客ネットワークの拡大、空港へのアクセスの改善などを掲げた。料金戦略では、航空会社の負担を軽減するため、国際線着陸料の値下げやインセンティブの拡大を実施。同社は運営や組織体制の見直しなどの経営効率化により、14年までに16億円のコストカットをめざしているが、それを着陸料割引などの原資とする考えだ。

 国際線着陸料は、12年冬スケジュールから5%値下げし、1トンあたり1990円とした。また、国内線を含めて13年夏から14年夏スケジュールの期間、「着陸料増量割引」や深夜早朝割引を拡充する。増量割引は新規就航や増便などの「増量」に対するインセンティブとして実施するもので、現行では新規就航や増便路線の着陸料を1年間80%割り引いていたが、加えて2年目に50%、3年目に30%の割引を設定する。また、深夜早朝割引では、午前1時から午前5時59分に着陸する着陸料を50%割引とする。

 このほか、料金戦略として13年夏スケジュールから国際線保安料の導入、国内線施設使用料の旅客数連動化、ターミナル1のバゲージ・ハンドリング・システム使用料の座席数連動化などの対策をおこなっていく。

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