インタビュー:ヴァージン・アトランティック航空日本支社長

羽田就航で「選択肢」提供
競争こそ消費者のメリットに

-成田空港と羽田空港の共存について、どのようにお考えでしょうか

マイヤースコウ 個人的には、2空港が互いを補完しあう関係になることができると考えている。成田と羽田はいずれも素晴らしい空港であり、どちらかのみが生き残るというようなことをいうつもりはない。VSは1日1便しか東京に就航していないが、より多くの便数を運航している米国やアジアの航空会社は、両空港それぞれの特性に合わせて活用していくだろう。

 競争が欠如すれば好機を逸する。成田と羽田の間だけでなく、アジア内の他空港との競争という意味でも同様だ。そもそも、これら2空港の保護は必要ないはずだ。東京圏の市場は大きく、圏内の人口は3000万人規模にも達する。ロンドンでは1000万人の人口に対して5つの空港があり、いずれもうまくいっている。


-羽田路線について、運航スケジュールや機材などの詳細は決まっているでしょうか

マイヤースコウ 運航スケジュールは、羽田の“昼間”ということだけしかいえない。ただ、ヒースローも成田のように就航可能な時間が限られており、この時間に離発着ができる時間にしなければならない。また、さらに重要なのは消費者のニーズに合う時間に飛ぶことだ。

 就航後は2種類の機材で運航したい。ピーク時には大きい機材を投入し、そうでない時はボーイングB787型機で運航する。2014年までには2年あり、需要も増減する可能性があるため、需要に見合った座席数を提供していかなければならないが、競合他社の動きも見守りつつ機材を選択したい。現時点では、エアバスA340-600型機を夏のピークシーズンに、それ以外はB787型機で運航する計画だ。

 また、ラウンジについては、羽田でもできるだけ成田と同じようなラウンジを提供したい。現在の成田ラウンジは、単一の航空会社が成田で運営するラウンジの中で最高であると自負している。羽田はスペースの制約もあるが、2年間の準備期間があるので、良いラウンジをお客様に提供できるようにしたい。