（左から）在日インドネシア共和国大使館公使のジョニー・シナガ氏、インドネシア観光クリエイティブエコノミー省大臣のマリ・エルカ・パンゲストゥ氏、バリ・ラサ・サヤン会長の万亀子・イスカンダール氏　インドネシア観光クリエイティブエコノミー省は、インドネシアの観光地の多様化をはかる方針だ。JATA旅博2012開催に合わせて来日した観光大臣のマリ・エルカ・パンゲストゥ氏は、「インドネシアには1万7000もの島があるが、バリはそのうちの一つ。他にも多く皆様に訪れて欲しい島がある」ことから、バリに加え、インドネシア各地の観光地を積極的にアピールする考え。

　今後は2014年までのプロモーション戦略として、インドネシア内の観光地16ヶ所を「ニューツーリズム・デスティネーション」に選定し、海外市場に対しアピールしていく。2013年はブロモ・トゥンガー・スメル国立公園(東ジャワ）、コモド島、ワカトビ（南東スラウェシ）、トラジャ（南スラウェシ）、サヌール（バリ島）の5つの観光地に注力し、日本を含む海外からの訪問者増につなげたい考え。加えて、観光テーマとして文化遺産、自然とエコツーリズム、レクリエーション、クルーズ、食、スパとメディカルツーリズム、MICEの7点を設定している。

　とくに日本市場については、旅行会社からのヒアリングから「メジャーなのは25歳から35歳の女性で、バリが多いようだ」と分析。こうした層に関心が高い、リゾートやショッピング、食事、スパなどをアピールしていく。バリ以外の観光地としては「ジャカルタ周辺にもリゾート地はある」とし、1時間以内で訪問できるプロウスリブ（1000の島々）や、ダイビングも楽しめるワカトビなどを紹介した。

　このほか、パンゲストゥ氏はインフラの整備についても言及。来年インドネシアで開催されるAPEC2013に向け、バリではデンパサール・ングラライ国際空港の拡張工事を実施し、高速道路の建設もおこなっている。また、ジャカルタのスカルノハッタ空港は2014年に新ターミナルを開催し、空港とジャカルタの中心部までを結ぶ高速列車も計画中だという。

　なお、2011年の日本人訪問者数は前年比1.56％減の41万2623人だったが、2012年1月から7月は5.4％増の24万1336人と増加。通年では、1割増となる45万人をめざす。