ベトナム、2015年に100万人を目標-JATAと連携し需要創造へ

  • 2012年9月19日

VNAT長官のグエン・バン・トゥアン氏  ベトナム観光総局(VNAT)は2015年に日本人旅行者数を100万人とする目標を設定した。VNATと日本旅行業協会(JATA)は9月18日、東京で観光推進セミナーを開催し、来日したVNAT長官のグエン・バン・トゥアン氏が「目標達成に向け戦略をたてていく。日本人旅行者が満足できる観光商品開発やサービスの質の向上を約束する」と、日本市場を重視した誘致体制を構築していく考えを示した。

 2011年の日本人訪問者数は前年比8.9%増の48万1519人で、過去最高を記録。今年も8月までの累計で18.8%増の37万6325人となり、12月までに18%増の56万人に達する見込みだ。グエン氏は、日本を訪問するベトナム人が増加していることや、2013年が両国の外交関係樹立から40周年の「日本ベトナム友好年」であることに触れ、「日本とベトナムがお互いに協力し、戦略を共有することで相互交流を増やすことができる」と送客への協力を呼びかけた。

 ターゲットとしては、従来の主要客層である20代から40代の女性層とシニア層を重点セグメントとする一方、修学旅行や長期滞在、ビジネス旅行などの新市場の開発にも取り組む。特にMICEに関しては手配ルートを確立し、企業への提案メニューの整備にも着手する。ホーチミンやハノイのほか、中部リゾート、歴史文化、自然といったベトナムの観光的魅力と客層をマッチングさせて重点セグメントをリピーター化させるとともに、新規需要を積み上げていく考えだ。

 また、受入体制では日本語ガイドの質と量を改善し、ガイドの数は現在の430人から1000人の育成をめざす。また、観光情報の提供方法やトイレなど衛生面の改善も実施。航空座席対策では、日本/ベトナム間の航空座席数を現在の年間約79万席から170万席への拡大をはかる。このほか、旅行会社との協力体制も重視し、セミナーや研修旅行を実施。JATAと連携し、JATAを日本でのステアリング機能として、新しい観光ルートの開発や滞在スタイルの提案などプロモーションを実行に移して推進していく。

 なお、ベトナムでは2030年を目標とした観光開発戦略として、2011年から2020年までの10ヶ年計画を策定。外国人観光客全体で2020年までに2011年の2倍となる1200万人、東南アジアにおける外国人観光客受け入れの中心国となることを目標とする。日本市場に対しては重要マーケットのひとつとし、日本人が好む旅行先の5位以内に入ることをめざしていく。