海外旅行業況、連続5期上昇も韓国、中国は減少-3ヶ月後はマイナス6
日本旅行業協会(JATA)が2012年8月2日から22日に実施した旅行市場動向調査によると、現況(2012年7月~9月)の海外旅行のDI値(※)は3ヶ月前から3ポイント増加し7となった。円高基調を背景に燃油サーチャージの上昇もなく、ハワイを中心に夏の需要が好調だったことで、当初予想の5を2ポイント上回り、5期連続の上昇となった。領土問題を抱える韓国は減少したがプラス2ケタを維持、中国は伸び悩む状況が続き、マイナス2ケタとなった。
3ヶ月後は秋の連休が少なく連続休暇が取りにくいことや、燃油サーチャージの上昇、竹島や尖閣問題などの懸念もあり、慎重な姿勢を示す旅行会社が多かった。2011年ほどは需要の伸びが感じられないという見方もあり、先行きの不透明感から13ポイント減のマイナス6との見通しだ。
方面別では、3ヶ月前に比べてハワイが13ポイント増、ミクロネシアとオセアニアが8ポイント増、アメリカ、カナダが4ポイント増、ヨーロッパが3ポイント増など6方面で増加。一方、韓国は10ポイント減の12、中国は3ポイント減のマイナス12となった。
JATAによると、韓国は増加が継続してきたが、中国観光客の増加などでホテルの確保が難しくなる傾向もあり、伸びしろがなくなりつつあるとの見方だ。中国は7月時点で前年割れとなっており、反日デモなどの影響で需要が伸び悩んでいるという。8月以降については、旅行会社からのヒアリングでは、大きな影響はないという。ただし、問題が長期化すると消費者が心理的に旅行を控え、新規顧客が減少する可能性があると懸念を示した。3ヶ月後は韓国が7ポイント減、中国が6ポイント減の見通しだ。
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