求人情報

KNT、クラツーを子会社化、13年から-持株会社新設し新体制、分社化も

  • 2012年8月11日

(右から)近鉄代表取締役副社長の戸川和良氏、KNT代表取締役社長の吉川勝久氏、クラブツーリズム代表取締役社長の岡本邦夫氏 近畿日本ツーリスト(KNT)とクラブツーリズムは8月10日、経営統合を発表した。2013年1月1日付でKNTがクラブツーリズムを子会社化する。また、KNTを個人旅行事業会社、団体旅行事業会社に分社化し、持株会社「KNT-CTホールディングス」を新設。13年1月1日付でクラブツーリズム、個人旅行事業会社、団体旅行事業会社を傘下とする持株会社体制へと移行する。なお、現KNTの子会社は引き続きKNT-CTホールディングスの子会社との位置づけだが、KNTツーリストについては個人旅行事業会社の100%子会社となる。

 KNT-CTホールディングスの代表取締役会長には現KNT代表取締役社長の吉川勝久氏、代表取締役社長には現近鉄代表取締役副社長の戸川和良氏、代表取締役には現クラブツーリズム代表取締役社長の岡本邦夫氏が就任する予定。また、個人旅行事業会社とクラブツーリズムの代表取締役社長は岡本氏、団体旅行事業会社の代表取締役社長は現KNT常務取締役の小川亘氏となる予定だ。

 8月10日に開催した記者会見で、戸川氏は「新たな旅行事業のビジネスモデルの構築により他社との差別化をはかり、激しい競争環境の中での優位性を確保していきたい」と意欲を示した。また、吉川氏は、総合旅行業としてのKNTのブランド力や営業力、ネットワークなどの強みと、クラブツーリズムの持つ強固な会員組織、マーケティング力、SIT商品などの企画力といった強みをあわせることで「強い旅行会社を誕生させたい」と述べた。国内旅行市場の縮小傾向や顧客ニーズの多様化、宿泊施設や航空会社などの直販化、ウェブ販売の増加など課題があがるなか、両社の強みを最大限活用してシナジー効果を生み出していく方針だ。

 新会社の2012年度の連結業績は、KNTとクラブツーリズムの単純合算で見ると、営業収益(※純額)846億円、営業利益57億円との予想。営業収益では日本旅行を抜いて業界2位になる見通しだ。2017年の目標として、営業収益900億円、営業利益85億円、当期純利益50億円を設定した。

 今後は戸川氏を委員長とする統合準備委員会を設置し、経営統合とKNTの会社分割による持株会社体制への移行を進めていく。9月3日には団体事業会社と個人事業会社を設立。11月下旬の臨時株主総会で、クラブツーリズムの子会社化や持株会社体制への移行承認を得る予定だ。

次ページ>>>統合によるシナジー効果、販売戦略について