日本航空、第1四半期は過去最高益-営業利益は8割増

  • 2012年8月2日

 日本航空(JL)の2013年3月期第1四半期(2012年4月1日~2013年6月30日)の連結業績で、売上高は前年比12.5%増の2867億円、営業利益は83.1%増の314億円の増収増益となった。第1四半期は安全運航の堅持を基盤とし、柔軟な需給適合と収益の維持向上、営業費用の削減、部門別採算制度の徹底など、更なる経営の効率化に取り組んだ。その結果、経常利益も93.2%増の307億円、四半期純利益は111.2%増の269億円と倍増し、営業、経常、純利益で第1四半期で過去最高を記録した。

 日本航空(JL)代表取締役社長の植木義晴氏は8月2日の会見で「確実に収益をあげられる経営体制になってきた」と喜びを示した。今後は「好業績にも緩むことなく業績の向上に努める」とした上で、路線ごとの採算性を見極めた上での利便性の高いネットワークの構築と、顧客サービスの更なる向上をはかる考えだ。

 また、取締役名誉会長の稲盛和夫氏も「今年度も順調にスタートを切ることができた」との考えを示した。9月を予定する再上場については、企業再生支援機構が出資した3500億円を「プラスアルファをつけて国庫にお返しできるところまでできている」という。公的資金の返済を早期に実施することで「できる限り早期に真の民間企業として再出発を果たす」考えだ。

 期間中の国際線旅客数は32.4%増の180万3000人。ボーイングB787型機を導入しての新規路線開設や需給バランスにあわせた機材変更など、商品力と収益性の向上をはかり、座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は6.6%増となった。需要については、円高の影響で日本発の旅行需要が好調だったことや、アメリカン航空(AA)との共同運賃の拡大適用でアジア発着旅客が獲得できたことにより、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は28.0%増と2桁増となった。ロードファクターは12.3ポイント増の73.4%で、10年比でも1.3ポイント増となった。

 国際線旅客収入の売上高は前年比21.6%増の959億円となった。顧客単価は、日本発のレジャー需要の増加や、もともと普通運賃が安い東南アジア発着旅客の増加などで、8.2%減の5万3187円となった。

 一方、国内線旅客数は15.3%増の711万2000人。国内線では福岡/花巻線開設や伊丹/青森線、札幌/女満別線増便など、需要が見込まれる路線の増便や機材大型化、新規開設などでネットワークの拡充をはかった。ASKは震災での運休の反動もあり11.1%増、RPKは18.0%増で、ロードファクターは前年比3.5ポイント増、10年比の59.6%となった。旅客収入の売上高は7.8%増の1082億円、顧客単価はパッケージ利用客の増加により、6.5%減の1万5224円と減少した。