羽田発着枠拡大、配分基準検討-オークションや自治体への割当も

  • 2012年7月29日

 国土交通省は羽田空港国内線の発着枠配分について、有識者による「羽田発着枠配分基準検討小委員会」を設置した。2013年夏季スケジュール開始時を目標に1日25便(年間2万回)拡大する予定で、それに向けた議論・検討を進めていく。7月27日に第1回の委員会を開催し、羽田発着枠の現状と検討課題を共有するとともに、各委員が配分基準に対する意見を述べた。

 これまで国内定期便の発着枠は、新規航空会社への配分を重視し、競争促進をめざしてきた。また、地方路線の維持・充実のため、幹線以外の配分や3便ルールなども創設された。しかし今回、航空局は議論の論点(案)として、(1)羽田の位置づけを含むより広い政策的視点との関係、(2)市場メカニズム等政策的配分のあり方、(3)地方ネットワークの維持・充実などネットワークのあり方、(4)産業政策・競争促進のあり方、(5)安全の評価などを提示。「国民の貴重な財産として有効的な活用」をめざし、より幅広い内容の検討を求めた。

 各委員からは「日本だけでなく、アジア、世界のネットワークとして捉えるべき」「競争の公正さ、多様性などの捉え方の整理が必要」などが述べられ、新規航空会社に対しては「(優先配分後)黒字状況にある。どういうバランスで配分するか、公平に議論されるように努めたい」との意見があった。また、「交流人口を増やし、地域振興のインフラとなる」「成長戦略のためのネットワークとして検討」など、それぞれの専門分野からの観点も述べられた。

 また、配分方法として市場メカニズムの活用としてスロットオークションを推す意見のほか、ルールの単純化、安全評価の見直しなどの必要性も述べられた。さらに、割当先を地方自治体など航空会社以外にも広げるアイディアが披露されたほか、日本航空(JL)経営問題について、発着枠配分検討のうえで「避けて通れない」との言及もあった。

 第2回は8月22日に開催予定。今回、オブザーバーとして参加した本邦6社の航空会社のほか、全国空港建設整備促進協議会から、今回の論点を中心とした内容をヒアリングする。その後の日程は第2回の開催後に調整することとしている。

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