現地レポート:世界三大料理トルコのガストロノミーと歴史遺跡

  • 2012年4月20日

古代都市遺跡の規模に驚くイズミルやエーゲ海沿いのリゾートと
ケバブからオスマン帝国宮廷料理まで、食を楽しむトルコの旅

DO&CO社のA340型機のトレーニングルームの前でフライングシェフがお出迎え イスタンブールの歴史をたどり
オスマン帝国宮廷料理を味わう

 イズミルからイスタンブールに戻り、空港近くにあるトルコ航空ほかに1日11万食の機内食を提供するケータリングのDO&CO社を訪問。機内食のほかにも、5000人規模までのイベント食も提供。F1にもケータリングを出している。広々としたオフィスを通って、調理室などを見学。冷凍食品は使わず、オーダーを受けてから作るという機内食を、トルコ航空のビジネスクラスを再現したトレーニングルームで、フライングシェフにサービスしてもらう。材料の品質と味にこだわる機内食のおいしさに驚く。

ガストロノミー・フェスティバルのコンテストに出品された見事なかぼちゃのカービング作品左端がブドウの葉で米を巻いたドルマ。ブドウの香りと風味がしておいしい   今回のトルコ訪問の目的でもあるイスタンブール国際・ガストロノミー・フェスティバルへ向かう。ヨーロッパやアジア各国から1,000名、トルコ国内から2000名を超えるシェフや料理人が集うという大規模なもの。コンぺティションで、海外の料理コンテストに出るトルコチームを選出するのと、若いシェフが熟練のシェフの技術を学ぶことを目的としている。トルコチーム・キャプテンによると4月には韓国のコンテストに出場予定で、ヨーロッパ、アジア、アフリカなどが融合された世界料理であるトルコ料理をアピールしたいということだった。

 イスタンブール市内では、内部の美しいイズミックタイルに感動するブルーモスク、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)時代のキリスト教聖堂からモスクへと転じたアヤソフィア、至宝の展示に驚くトプカプ宮殿を見学後、オスマン帝国宮廷料理をいただく。広大な領土を誇ったオスマン帝国では、東西の食文化が混ざり、宮廷料理として昇華されていったそう。新鮮なハーブを使った海老のマリネやブドウの葉に米を詰めたドルマは、素材の味が生きていた。ケバブからこうした宮廷料理まで、食もまたトルコの旅の大きな楽しみの一つに違いない。



 

取材協力:トルコ共和国大使館 文化広報参事官室、トルコ航空
取材/小野アムスデン道子