エス・ティー・ワールド、店頭販売強化-コンサルティング機能を重視

  • 2012年4月15日

エス・ティー・ワールド経営管理グループ経営管理・法務担当グループマネージャーの小圷孝幸氏、販売推進グループグループマネージャーの武井良太氏  エス・ティー・ワールド(STW)は店頭販売の強化をはかっている。STW販売促進グループグループマネージャーの武井良太氏は「旅行会社の存在意義を見出すためには店頭を強化すること」が必要とし、店頭でのカウンセリング、コンサルテイング機能を強化していく方針を説明した。「インターネット上のやり取りで完結するのではなく、お客様と一緒に旅を、感動を作っていきたい」考えだ。

 例えば、宿泊施設と移動手段のみのスケルトンのパッケージツアーの場合でも、旅行者と直接コミュニケーションをとることで、参加者の年齢や性別に合わせて宿泊施設を勧めたり、空港からホテル間の送迎の有無、オプショナルツアー参加日と自由行動の日について提案。対面でコンサルティングをすることで顧客のニーズを的確にヒアリングし、より満足度の高い旅行の提供をめざす。同社ではインターネットで調べた後に来店する旅行者が増加傾向にあり、旅行者の満足度もインターネット内で完結した予約と比べ高いものになっているという。

 STWは今年2月に渋谷本社を移転し、今まで同じビル内だった本社機能と営業部門をわけ、営業部門を「渋谷駅前店」として渋谷駅直結のビル内に開業することで店頭機能の強化をはかったところ。新店舗ではカウンタースペースを拡大。来店者が資料を見やすく、かつ相談しやすいようカウンター内ではスタッフが立って接客する。また、ほとんどの来店者が事前予約だが、飛び込みの来店者も受け付ける。

 渋谷駅前店では、今までSTWを知らなかった、インターネットでは旅行を探さないような新規需要の取り込みもねらう。移転に合わせてウェブサイトや周辺地域への新聞での折込広告を活用して告知を実施したほか、次回の旅行用の割引券を2222名に配布するなどキャンペーンもおこなった。

 また、4月からは今まではデスティネーションの方面別に設定していた受注件数などの目標を、個人ベースに変更。各スタッフのスキルアップとモチベーション強化をはかる。STW経営管理グループ経営管理・法務担当グループマネージャーの小圷孝幸氏は、「今まではエス・ティー・ワールドのファンになってもらえればよいと考えていたが、これからはお客様が担当スタッフを求めてやって来るような形に変更したい」とねらいを語った。