シニア旅行動向、ネット予約主流に-海外旅行は10%台、JTB調査
2012年は、団塊世代(1947年~1949年生まれ)の完全退職者が多くなることが見込まれ、今年はシニア世代へのアプローチをより一層注力する方針を掲げる旅行会社が多い。この状況の中、ジェイティービーでは団塊世代を中心とするシニア(1941年~1955年生まれ)の配偶者のいる男女に、生活や旅行に関する意識調査を実施した。オンラインWEB調査での回答ということも影響したかもしれないが、調査結果からは、シニア層にもネット化が進んでいる実態も見てとれた。
※注 調査分析は、対象者を以下の5つに分けて実施
A世代:1941年~1945年生まれ/男性200名、女性200名、計400名
B世代:1946年~1950年生まれ/男性400名、女性400名、計800名
B世代の完全退職者:男性173名、女性400名、計431名
B世代の勤務者:男性227名、女性142名、計369名
C世代:1951年~1955年生まれ/男性200名、女性200名、計400名
調査実施期間:2月21日~24日
対象:首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)、愛知県、京阪神(京都、大阪、兵庫)在住の計1600名
「ネットで見てネットで申し込む」が約半数
今回の調査は、団塊世代を中心としたシニア世代の生活や旅行に関する意識をテーマに実施したもの。調査項目は多岐にわたるが、最も目を引いた結果が「旅行の申込み方法」だ。「ネットで見てネットで申し込む」との回答が52.8%と、半数を超えている。
世代別で見ると、最も多いのはC世代で57.5%で、年齢が若いほどネットで見てネットで申し込む人が多い。ただし、最も少なかったA世代でも47.0%と約半分を占めている。また、「ネットで見てネットで申し込む」との回答者のうち、「パンフレットを見てネットで申し込む」という人は65.7%で、JTBの調査では、ネットで申し込む行為がシニア全体にも定着しているという。
一方、「パンフレットを見て店頭で申し込む」は29.3%。年代別ではC世代が35.5%と最も多く、次いでB世代が28.9%。A世代は23.8%。また、B世代でも、退職者の27.1%に対し勤務者が30.9%と多く、年代が若く、仕事などで行動範囲の広い人が店頭へ行く傾向が強いようだ。
A世代が多いのは、「パンフレットを見て電話で申し込む」で32.3%。B世代が26.8%、C世代が15.8%と、年代が高い人に電話での申し込みが多い。また、B世代でも、退職者が28.5%なのに対し勤務者が24.7%となっており、「店頭で申し込み」とは逆の傾向が表れた。
また、「自身でインターネットで予約したことのあるもの」については、「国内の宿泊施設」がどの年代も60.0%以上となったのに対し、海外旅行は最も多い「添乗員同行の周遊型パッケージツアー」でも、B世代退職者(19.0%)が最高で、すべての年代で20%以下となっている。海外旅行の航空機や宿泊施設はどの世代も10%前半に留まり、海外フリータイム型のパッケージ旅行はC世代(11.0%)を除き1ケタ台となった。「インターネットで予約したものがない」のは、どの世代も20%台だった。
▽旅行の申し込み方法(複数回答)