12年の展望(3):各社方針、PKGは個人強化、業務渡航の伸びる分野予測も
旅行会社を対象に実施した弊誌のアンケートによると、2012年は11年の震災による需要減退の反動もあり、取扱高で前年を超えるとの見通しが多かった。円高やシニア需要の回復、ロンドンオリンピックへの期待がある反面、燃油サーチャージの高騰などを懸念する意見もあがった。今回はそうした状況を踏まえた上で各社のレジャー、ビジネス各市場への取り組みと、強化すべきポイントを取りまとめた。
レジャーは既存商品を強化、SITへの取り組みも
各社の傾向としては、12年は従来通り既存の主体商品を取り扱っていくとした会社が7社と多かった。また、総合旅行会社では「特に一点強化ではなく、全般的により一層強化をはかっていく」とした総合旅行会社が2社あった一方、一定の方面や客層に強みを持つ商品造成自社販売系ではSIT需要の取り込みを狙い、付加価値のある商品の造成や「細分化する顧客ニーズに細かく対応し、送客増をねらう」という、個人への対応を強める方針もあった。
ハワイ、欧州など長距離方面強化、シニア層の回復に期待
また、強化したいセグメントでは「シニア」が13社ともっとも多く、団塊世代の大量定年への期待や「震災の影響で旅行を手控えていたシニア層の回復を見込んでいる」(総合旅行会社)との声が上がった。また、8社が選択したハネムーンではコンサルティングの強化による収益改善をはかるとした会社(リテーラー)もあった一方、一定の方面、客層が強い商品造成自社販売系からは「従来それほど得意でない」ことから12年は強化していきたいとした意見もあった。F1層(20~34歳女性)では「読者モデル起用など、若いF1層が憧れるようなストーリーを非タレントとともに作成し、口コミで旅行に行ってもらうような企画を検討していきたい」と新たな取り組みに意気込みを見せる総合旅行会社もあった。