12年の展望(3):各社方針、PKGは個人強化、業務渡航の伸びる分野予測も
ビジネスはMICEへの期待値高く、業務渡航系でBTM強化も
ビジネス市場をみると、12年に取り扱う部門では「法人団体」が18社、「法人業務渡航」が15社、「MICE」が14社となった。一方、強化したい部門では、「法人団体」と「MICE」は14社ずつで最も多く、次いで「法人業務渡航」7社「BTM」6社となり、MICEへの注目度が高いことが分かる。MICEでは「競争は厳しいが潜在マーケットが有望である」(業務渡航系)と期待の声もあがった。一方、法人業務渡航を選んだ理由として「ビジネス需要の未着手エリアの取組強化」と取り扱い拡大に意欲を示す旅行会社(総合旅行会社)もあった。またMICEや法人団体、BTMは「エリアごとの市場の状況を見極め、集中的に展開をすれば販売拡大が見込まれる分野である」(総合旅行会社)ことから強化する方針の会社もあった。
このほか、航空会社のゼロコミッションの流れの中、「包括契約による企業の関係性を高め、収益の安定をはかるためBTMによる営業を展開していく」(業務渡航系)と、コンサルティングの強化によりマネジメントフィーを得る方針も見られた。
需要が伸びる業界は「医療・製薬」-震災後は「エネルギー」も注目
法人・業務渡航を取り扱う13社に今年需要増が見込める業界について聞いたところ、「医療・製薬」が11社で最も多く、次いで「IT・通信」が6社、「自動車・バイク」「エネルギー」がそれぞれ5社となった。「医療・製薬」では国際的な学会の開催や、「外資系企業の進出による、海外本社との往来増加のため」(総合旅行会社)といった意見がみられた。
2012年の特色としては、震災や原発事故の影響により、再生エネルギーを含む資源・エネルギー関係(業務渡航系)、円高や海外需要の増加による海外拠点への移動傾向から、製造業、特に自動車関連(総合旅行会社)があがった。さらに、「原発事故対応などで出張が減少した官公庁関係が、TPP関係で需要が高まる」(業務渡航系)とみる会社もあった。
また、企業の新興国への海外進出が見込める分野として、サービス、食品、小売、保険をあげ、とくにインド・ベトナム・ミャンマーへのインフラ輸出で、「プラント」、「重工業」、「金融」をあげる会社(業務渡航系)もあった。