現地レポート:台湾、2011自転車フェスティバルとサイクリング観光 

  • 2012年1月20日

自転車の島・台湾、国際レースも開催
サイクリングで新しい台湾旅行を

夕景の中、海岸沿いのサイクリングを楽しむ。三芝石門サイクリングロードで

 台湾交通部観光局ではこの数年、台湾での自転車ブームを追い風に、海外からの観光客にもサイクリングの魅力をアピールしている。サイクリングロードやレンタル自転車などのインフラを整備するほか、サイクリング関連のイベントも開催。2011年11月6日には東部の花蓮市で、第1回「Taiwan Cup国際ロードレース」を開催した。この国際大会にあわせ、台湾交通部観光局では日本からのFAMツアーを実施。ロードレースの観賞にサイクリング体験と周辺観光を加えた新しい台湾旅行を提案した。


国際ロードレースに世界12ヶ国が参加
ロードレースに最適な花蓮

「Taiwan Cup国際ロードレース」。スタート地点では多くの台湾の人々が集まり、声援を送っていた

 第1回「Taiwan Cup国際ロードレース」は「2011台湾自転車フェスティバル」のメインイベントであり、台湾交通部観光局が実施するプロモーション「旅行台湾・感動100」のシリーズのひとつとして、台湾ランタンフェスティバル、台湾美食フェスティバルに続く重要なイベントでもある。当日は世界12ヶ国30チームと地元の台湾チームの総勢150名が参加。アップダウンに富んだ全長200キロメートルのロードレースを競った。記念すべき初代チャンピオンは終盤のゴールスプリントを制した、日本チームのシマノレーシングに所属する青柳憲輝氏だった。

スターターは台湾交通部部長や花蓮市長などそうそうたるメンバー。台湾側の力の入れようが伝わる

 東部の港町、花蓮が第1回大会の舞台となった理由は、湾曲が少ないがアップダウンに富んでいる海岸沿いの道路が、ロードレースのコースとして最適だからだ。もともと花蓮は大理石の渓谷美が見事な「太魯閣(タロコ)渓谷」の玄関口として人気の観光地であるが、さらに最近はサイクリングやロードバイクを楽しむ人々の注目が高まっている。街中の民宿では、軒先に数台のロードバイクが停められ、ヘルメットやウェアを身に付けた台湾の愛好家が集まる姿も見られた。

カツオ博物館。日本とのゆかりのある地でもある

 観光局では今回のレース開催により、レース自体の認知向上とともに、台湾が「自転車の島」としてサイクリングロードの整備や充実したレンタサイクル設備など、サイクリング環境が整備されていることを世界にアピールしていくねらいだ。台湾交通部観光局では現在、「旅行台湾・感動100」として、同観光局のホームページで10のテーマ別に台湾観光の楽しみ方や観光ルートを発信しており、サイクリングを絡めた旅行も提案している。

マンボウ料理は「刺身が一番」とか。入口にマンボウの剥製を飾る「三国一餐丁」で

 なお、花蓮ではレース観賞の後、「七星柴魚(カツオ)博物館」を訪問。かつて日本に輸出していたほど盛んだったカツオ産業の歴史や製造工程を見学した。休日には「カツオのたたき実演」が行なわれ、試食も可能だ。また、夕食には名物の「曼波魚(マンボウ)料理」に挑戦。始めは箸が進まなかったが、一旦食すると味は淡白でクセもなく、美味。コラーゲンが豊富で、皮と身の間にコラーゲンをたっぷり含んでいるといい、健康志向の高い女性におすすめだ。