JATA初の共益事業、エコポイントで交換可能な旅行引換証発行-被災地支援に
日本旅行業協会(JATA)は、政府が実施する「復興支援・住宅エコポイント事業」で付与するポイントと交換可能な「JATA旅行引換証」を発行する。これは、エコ住宅の新築または、エコリフォームで発行されるポイントを復興支援商品またはエコ商品と交換できるという事業で、JATA旅行引換証は復興支援商品の対象だ。
JATA旅行引換証は、全国のJATA正会員会社で特定被災区域内での旅行商品と交換できるため、旅行を通じた復興支援だけでなく、会員の営業活動、また経済活性化にもつながる。1月18日の定例会見で説明に立ったJATA国内旅行業務部部長の興津泰則氏は、「旅行に行くことで復興支援につながる。広く周知徹底したい」と意気込みを述べた。JATAでは、住宅エコポイント事務局とタイアップしておこなう全国版一般紙での復興支援商品の告知や、メディアを通じた認知向上に取り組み、100億円から200億円程度のポイント交換額をめざす。1月25日にポイント引き換えを開始する。
復興支援商品のうち、商品券は一部の地域に限定されているものが多いが、今回JATAが発行するJATA旅行引換証は全国の正会員会社で利用できることが特徴だ。これにより、大手旅行会社だけでなく、中小、地域性の高い旅行会社まで取り扱うことができ、全国から被災地に送客できる。JATA旅行引換証の有効期限は発行日から1年間で、券種は1万円の1種類で、1万円単位で交換できる。例えば、JATA旅行引換証1万円に必要な復興支援・住宅エコポイントは1万ポイントと交換手数料500ポイント。交換額が4万円以上であれば交換手数料は2000ポイントとなる。
また、JATA旅行引換証の利用可能な地域は特定被災区域で、青森、岩手、宮城、福島県の東北地方のほか、茨城や栃木、埼玉、千葉、新潟、長野県の220市町村が対象だ。特定被災区域内を発着地とする場合は、会員会社の手配による特定被災区域内の公共交通機関の駅、バス停留所、空港、港などを発着地として会員会社が契約する宿泊施設に1泊以上する国内旅行、特定被災区域外を発着地とする場合は、特定被災区域内の会員会社が契約する宿泊施設に1泊以上する国内旅行がその利用条件となる。
一部の旅行会社ではすでに店頭での販促に向けて準備をすすめる企業もあり、興津氏は、「消費者と直接接するのは旅行会社。店内でのわかりやすい表示や案内、商品の説明を心がけてほしい」と述べる。同事業は一般社団法人への移行後に初めて実施するJATAの共益事業。今回成功させることで、今後も会員の旅行会社と利益を共有できる事業を展開したい考えだ。