現地レポート:ケニア(2)、宿泊施設とインフラ、ツアー造成のポイント
ケニア、アコモデーションの選択で旅行スタイルが変わる
観光立国として整備進んだインフラも特徴付けの一役に
旅行者のリクエストに応じた
ツアーを組むためのインフラも充実
ツアー造成にあたり、ルート上のインフラは重要だが、ケニアの観光地ではほぼ整備が行き届いている。宿泊施設の水回り面では、まだバスタブを設置していないところが多いが、シャワーはお湯がたっぷり使えるなど、滞在に支障はなかった。
また、ルートを組む際に重要なトイレ休憩は、今回の研修旅行ではほぼ2時間おきに1度の休憩をとった。観光客が休憩で立ち寄るスポットは、だいたい併設のトイレがある小さな土産物屋。鍵が壊れていることもあったが、おおむね清潔で、トイレットペーパーもきちんと備えられていた。これは、ここ数年で状況が改善されたそうだ。特に、赤道上には休憩スポットがいくつもあり、バケツに流し込む水が南半球と北半球では逆回りに流れるという、おなじみのパフォーマンスも繰り広げられる。休憩に組み込むといい気分転換になる。
道路は、エレメンテイタ湖からケニア山に向かう途中が一部未舗装で大きく揺れたものの、ほとんどは舗装されていて、問題なくドライブを楽しめる。ただし、主要道路から外れて各宿泊施設に向かう10分間程度の道のりは、オフロードになることもあった。また、車で陸路を行くほか、小型飛行機の利用も可能。ナイロビからマサイマラへは、陸路だと約6時間ほどかかるが、小型飛行機では約50分ほどで移動できる。
こうなると選択肢が幅広く、商品造成の可能性は膨大だ。参加者は「ケニアは、充実した観光素材を持つデスティネーション」と、高く評価。また、FITでも旅行しやすいシステムが整備されているとはいえ、日本語がほぼ通じないといった語学的な問題や、情報の取捨選択の難しさから「まだまだ旅行会社が介在して、利益を見込めるデスティネーション」とケニアを位置づける。
旅行者のニーズに細かく対応していけば、ケニアはまだまだ成長の余地のあるデスティネーションだ。「ケニアには、多様な宿泊施設のほか、圧倒的な広さを持つサバンナや果てしなく続く地平線といった景観や、群を抜いた野生動物の数や種類などの魅力もある。こういった優位性を、うまく旅行者にアピールしていきたい」と、アフリカ旅行に精通した参加者。ケニアの観光素材の知識を身に付け、幅広い旅行商品を造成し、旅行者数の拡大につなげたい。
取材:江藤詩文