ハワイ、来年以降の指針説明-「販売」に繋げるマーケティング重視
ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)と、2012年からハワイ州観光局(HTJ)業務を委託した「a.link LCC」(エーリンク)が、来年以降の活動指針を説明、旅行会社の販売に繋げるマーケティングを展開していくことを示した。説明に立ったエーリンクのバイスプレジデントで、HTJマーケティング本部長となるミツエ・ヴァーレイ氏は、今後最も変化させるものとして「メディア、広告、PRとセールスとのインテグレーション」と強調。円高や燃油サーチャージ、販売チャネルの多様化などいろいろなチャレンジがあるとしながら、「これまでの成果を含め、全体を繋げる形でタイミング良くマーケティングをし、必ず結果が出る形にする」と意欲を示した。
HTAチェアマンのロナルド・ウィリアムズ氏、バイス・プレジデントのデイビット・ウチヤマ氏は現在の委託先であるJコンパスがハワイのブランディングを固めたことを評価し、その上で「今後はいかに消費者の買う動機づけをするかが必要になってくる」と、ホテルやアトラクションなどHTAのパートナーと旅行会社を結びつけて販促サポートをしていく意向を示す。既に北米では、ホテル、アトラクションと商品造成を売る旅行会社などと集中型のプログラムを作りこみ、成果が出ているという。
そのため、日本市場においてはまず、旅行業界向けのサポートを重視し、強固な関係構築をはかる。エーリンクのバイスプレジデントでHTJ営業本部長となる三枝肇幸氏は「ハワイにはまだ埋もれている無数の貴重なものがある」といい、企画や販売担当者の知識の充実に重点を置き、旅行会社に出向いてのセミナーの実施やオンデマンドのトレーニングツールを作成して、新しい切り口の商品造成や満足度の高い販売ができるよう力を入れる。特にトレーニングツールについては、現地パートナーと企画・販売をする旅行会社双方が参加し、日本側とハワイがコミュニケーションを高められる機会の創出もはかる。さらに旅行会社の商品造成や販売にあわせたマーケティングを展開していく。
また、MCI(ミーティング・コンベンション、インセンティブ)マーケットにも力を入れていくほか、リピーター向けの隣島プロモーション、ファーストタイマーの獲得もはかる。特にファーストタイマーについては地方でのアプローチを強化する。業界向けのセールスコールやセミナーはもちろん、今後、フラの教室やハワイ関連ショップなど、ハワイに詳しく情報発信を希望する一般の人をスペシャリストとして認定する「アロハ・プログラム」の構築も予定しており、地方においてもこうした「ハワイの情報発信基地」を活用してハワイの盛り上げとともに情報収集をはかっていく。
エーリンク代表でHTJ局長となる高畑エリック氏は「情報伝達のスピードが速くなる中、日本を軸にした形で双方のパートナーとコミュニケーションをとることが大切」と、日本側とハワイ側で密なコミュニケーションを交わす重要性を強調。「情報のデストリビューション」となる新しいプログラム構築の予定も語った。
オフィス体制としては、2012年から現地オフィスと日本オフィスを置く。現地は高畑氏、ヴェーレイ氏、そのほか1名の3名とし、日本での活動を軸に展開。三枝氏が日本に常駐し、現在と同程度の規模のスタッフを置く。
なお、具体的な方針や内容はヒアリングを重ねて決定し、今後発表する予定だ。