夏の海外旅行「回復」が5割、TSR調査-LCC取り扱いには温度差

  • 2011年9月26日

▽増加要因は円高がトップ、自粛の反動も

 旅行申し込みが「増えた」と「やや増えた」25社に、その増加要因を複数回答可で聞いた設問では、16社が「円高の影響」を選択。円高で好調な方面としては「北米」(9社)、「アジア」(7社)となり、特に「ハワイ」(7社)と「韓国」(6社)が好調だった。また、14社が「東日本大震災の自粛の反動」を選び、以下「旅行代金の低価格化」(12社)、「プラン・パッケージの充実」(9社)が続いたという。このほか、羽田の国際化やLCCの取り扱い増、節電などの影響による休暇の長期化や分散化の影響を指摘する回答もあった。



 一方、「減った」「やや減った」と答えた14社の要因では、「消費の冷え込み」と「東日本大震災後の自粛の継続」が10社ずつで最も多かった。また、燃油サーチャージの値上がりも影響したとする声もあった。

 なお、秋以降の見通しについては、50社のうち17社が「横ばい」、7社が「減少」を予測。増加は14社に留まった。TSRでは、アジアを中心に近隣への旅行は堅調な推移が見込まれ、政情が安定しつつある中近東への需要の高まりも期待される一方、景気低迷や原発事故への不安感などが消費支出への足かせになっているとしている。