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観光庁、本格回復に向け対策強化、3次補正は需要回復と被災地支援に

  • 2011年9月19日

 観光庁長官の溝畑宏氏は、9月16日に開催された定例記者会見で東日本大震災発生からの半年間を振り返り「一刻も早い本格回復を官民挙げて取り組む必要がある」と訴えた。同氏は訪日外客数について、台湾やタイを事例に挙げ「徐々にマイナス幅は小さくなってきている」としながらも、「全体としては本格回復に至っていない」と厳しい考えを示した。続く円高傾向に加え、原子力発電所事故が海外の消費者の不安材料となっているという。

 今後は引き続き「日本が安心・安全であることと、元気な日本をアピールしていく」考えで、トップセールスなどの既存の取り組みを継続するほか、10月からビジット・ジャパン主要15市場に対し、20億円規模を費やしプロモーションを実施。また、関係省庁や民間企業などと幅広く連携を取りながら情報を発信していく。さらに、消費者の口コミも活用し、きめ細やかに情報が浸透するよう、テレビや新聞での広告展開に加え、ブログやツイッタ―など、さまざまな手法でプロモーションを展開していく考えだ。

 また、需要の本格回復に向け、今までオフシーズンとしていた11月、12月の需要の掘り起こしをはかる。さらに、原発事故の懸念から減少している家族旅行に対し、子どもやシニア層が安心、安全に楽しめるという情報を発信し、回復につなげたい考えだ。

 加えて、第3次補正予算でも旅行需要の回復に注力するとともに、被災地の復興支援をはかる。溝畑氏は予算要求のポイントとして、国内観光需要の回復、訪日外国人観光客の需要回復、東北の被災地の応援の3点を挙げた。

 国内観光では、春、夏に続きキャンペーンを実施し、モニターツアーを造成することで需要の回復をはかる考え。訪日外国人観光客に対しては、中国、韓国、台湾、香港、アメリカの5大市場でプロモーションの実施やメディアの招聘を継続していく。被災地の応援では、秋以降の観光動向が厳しいとの予測に基づき、集客力のあるイベントやプロモーションなどの仕掛けをおこなっていく。溝畑氏は「来年3月まで切れ目なく観光支援をしていきたい」との考えを示した。