ペニンシュラ、イン/アウトとも回復見通し-ロンドンなど興味も
ザ・ペニンシュラホテルズ最高執行責任者のピーター・C・ボーラー氏はこのほど本誌の取材に応じ、日本市場の現状や今後の戦略について語った。ボーラー氏によると、アウトバウンド、インバウンドともに震災の影響から立ち直りつつあるといい、特にアウトバウンドは「戻りが早く、9月以降の需要は前年と同水準に戻る」との見通しを示した。ザ・ペニンシュラ東京では、当初インバウンドの落ち込みに対して国内向けの特別プランなどを設定して落ち込みをカバー。現在は海外からの出張需要から回復しつつあるところで、「ちょうど来年の売上予算を固めたが、見通しは明るい」とした。
ザ・ペニンシュラホテルズは現在9軒のホテルを展開しているが、10軒目となるパリの開業に向け準備中。パリでは、1905年に他のホテルとしてオープンした建物を購入し、改築を進めているところ。構造的な改築は2012年の早期に終え、その後1年ほどかけて内装を整えてから2013年半ばの開業を予定している。
また、今後のホテル展開については、「我々は(グループのブランド戦略として)、まず小規模であることを重視している」とし、さらに建物を直接所有するか株式の過半数を保持してホテル運営に当たっていることもあって、急速な拡大はないと断言。ただし、その中でもロンドンやムンバイ、デリーなどは幾つかの都市は、同社の立地条件の一つである「世界経済の鍵となる都市」であることから、「興味を持っている」と語った。
このほか、流通戦略における旅行会社の位置づけについては、「非常に重要であり、今後も変わらない」とコメント。その理由として、「我々は香港にコールセンターを用意しているが、お客様はとても良く我々のホテルを調べてからお電話くださる。情報を大量に集めても、最後は声が聞きたいということだろう」と語り、「旅行は依然としてパーソナルなビジネス」と指摘。そして、「ウェブサイトなどでできる限り多くの情報を発信する一方で、旅行会社と強固な関係を構築することを重視している」と強調した。