現地レポート:マカオ、メガホテルがリードするMICEとエンターテイメント

  • 2011年9月1日

MICEデスティネーションとしてのマカオ
メガホテルのリードで施設、エンターテイメントが充実

アクセスの利便性と充実した施設、観光要素が揃うマカオは、MICEデスティネーションとしても適している。写真は世界遺産、マカオ歴史市街地区のセナド広場  中国に返還された後も、ポルトガル統治時代の面影を色濃く残すエキゾチックな街、マカオ。大型ホテルが続々とオープンしたことによる観光施設の充実で、マカオの観光産業界は、かつてないほどの活気を帯びている。日本からは、成田、関空からマカオ航空の直行便で4時間から4時間45分と近く、空港からMICE設備が充実した複数のメガホテルまで、車で10分以内というのも特徴。アジアを中心とする世界各国のビジネスマンや、好景気の中国本土からの日帰り観光もこの好況を後押ししているのだ。今回は、アリーナや展示会場などMICE設備が充実しているヴェネチアン・マカオ・リゾート・ホテルを中心に、この夏限定の施設や、注目すべき観光素材を取材した。


あらゆる需要に対応可能な
充実の大規模MICE施設

モンテの砦から望むマカオ半島。古い町並みと高層ビルが隣り合わせてひしめいている  マカオは、地の利のよさ、施設の充実度から、国境を越えた集客が必要な大規模イベントや、世界各地からの参加者が集うビジネスミーティングにもってこいの場所だ。空港自体が小さいので大空港に必要なターミナル間の移動というロスもない。空港のあるタイパ島にあるホテルなら、海外から到着後、短時間でチェックインすることができる。また、多数の国際線が就航する香港からも、フェリーで45分でマカオにアクセスできる。

ヴェネチアン・マカオ・リゾート・ホテル。5階のルーフトップには18ホールのミニゴルフコースもある 視察時はちょうどインドの会社のイベントが催されていて、シンポジウムの休憩時間用に飲み物を準備していた  今回取材したヴェネチアン・マカオ・リゾート・ホテル(ヴェネチアン・マカオ)は、MICE設備の規模がすべて桁外れだった。3000室の客室と30ヶ所以上のレストランもさることながら、MICE設備の広さは合計12万平方メートルもある。その内容は、7万5000平方メートルのエキシビションスペース、アジアでもっとも大きな6500平方メートルのボールルーム、108室のミーティングルーム、1万8500平方メートル以上のフレキシブルスペース、1万5000席のアリーナと、あらゆる需要に対応が可能だ。小規模なミーティングから、大規模な商品プレゼンテーション、テニスや格闘技の試合、人気アーティストのコンサートまで対応することができる。また、後述のメディカルスパと組み合わせれば、MICEメディカルツアーの開催も可能だ。

 さらに、同ホテルを経営するアメリカのサンズは、ラスベガスのホテルを経営する会社のなかでもMICEの草分けであり、マカオでも、ラスベガスで20年以上もの間に培ってきたノウハウが生かされている。MICEセールスのためのアドバンスを多数持っているという。