現地レポート:ニューヨークの「今」を感じる新提案、高コスト回避策も
変わり続けるニューヨーク
9.11メモリアルも間もなく開館
ホテル仕入れに工夫を提案
お金をかけない楽しみ方も
旅行会社にとって、ニューヨークはホテルなどの仕入価格が高いことが悩みの種。これに対してFAMツアーでは、ニューヨーク市観光局から提案がなされた。
ホテルの客室数は、ニューヨーク市のみで見ても2008年に前年比4%増、2009年に6%増、2010年は7%増とこの数年で増加してきているが、それでも足りていない。2010年の通年の平均客室稼働率は85%であったといい、ハイシーズンであればさらに高くなる。
今回視察したのは、マリオット・マーキーズとマリオット・ブルックリン、マリオット・ダウンタウンの3軒のほか、ジュメイラ・エセックス・ハウス、ヒルトン・ニューヨーク、ウェリントン・ホテル、Zニューヨーク、YOTEL。ZニューヨークとYOTELは日本市場で馴染みが薄いと思われるが、いわゆるブティックホテルタイプの新しいホテルだ。
このラインナップについてヒーリー氏は、「ニューヨークのホテルにはバラエティがあり、需要の波もそれぞれ異なることを知って欲しかった」と語り、各ホテルの担当者と頻繁にコンタクトを取って彼らのニーズを把握すれば、より手頃なレートを逃さずに利用できると訴える。
また、例えばクイーンズ地区にあるZニューヨークでは、無料の送迎サービスを用意しているほか、客室からはマンハッタンの全景を一望できる。こうしたホテルを検討に入れることで、中心地から離れることもデメリットに感じさせない工夫が可能という。
このほか、もう一つお金をかけずに楽しめる工夫として紹介されたのは、無料の野外コンサート。ニューヨークでは夏の間、多様なジャンルの音楽や劇のステージなどが頻繁に、かつ無料で開催されている。この日はセントラル・パークでのメトロポリタン歌劇場のコンサートだったが、ニューヨーク中の様々な場所で、世界的に著名なアーティストが多数出演しているという。
CIの関空/ニューヨーク線、真新しい内装で長距離フライトも快適に
CIが4月28日に就航した関空/ニューヨーク線は、関西市場にとっては待望の米国東海岸線。CI大阪支店旅客営業部部長の松川晴信氏によると、東日本大震災の発生直後で広告活動を自粛したこともあって当初は苦戦したが、カリブ海など以遠需要を含めて好転しているという。
同路線の日本市場での販売目標は、1便あたり100名。この達成に向けた関空/ニューヨーク線の売りの一つは、刷新したばかりの内装だ。関空/ニューヨーク線は往路が約13時間、復路が約15時間であり、機内の快適性がいかに重要かは指摘するまでもないだろう。
ビジネスクラスのシートは160度までリクライニングでき、ゆったりとした空間、大きなモニター、パソコンなどに使用できる電源など機能も十分。エコノミークラスも薄型でシートピッチを確保しつつ、適度なクッション性は保持している。もちろん全席でエンターテイメントシステムを利用可能だ。しかし、なにより新シートならではの清潔感と快適さは、体験した人にしか分からない満足を与えてくれる。
松川氏は、現在の週3便に対して、将来的にはハイシーズンとなる夏期の増便も視野に入れていると明言。機内はもちろん、現地でも日本語を話すスタッフを空港に配置し、サービスも充実。関西圏に加え、地方からも需要を取り込み、実現をめざす考えだ。