夏の旅行需要、海外・国内ともに09年上回る-JTB調査

  • 2011年7月4日

 ジェイティービー(JTB)がこのほど取りまとめた、2011年夏休み期間(2011年7月15日~8月31日)の旅行動向調査で、今年の夏に「旅行に行く」人が15.8%、「多分行く」人が21.1%となり、いずれも過去5年間で昨年に次いで2番目に高い結果となった。1200名を対象にしたアンケートやJTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向から推計した旅行者数は、海外が5.8%減の228万人、国内が2.7%減の7230万人とした。

 JTBでは、全体的な傾向として「長短2極化」の傾向を指摘。今年予定する旅行の日数を聞いた質問の答えで、例えば1泊2日は4.8%ポイント増の41.1%となった一方、6泊以上が2.6ポイント増の6.6%となり、全体の平均宿泊日数も0.15泊増の2.32泊となった。また、旅行の同行者で家族が6.0ポイント増の71.8%に増加。一方、友人、知人は4.3ポイント減の14.2%となっている。

 節電対策により、夏休みの日程が例年と異なる影響を見ると、旅行に行かない理由で「休暇が取れない」が1.0ポイント減の28.6%と減少。また、「混雑するので」は5.5ポイント減の19.5%、「家の事情で」は3.7ポイント減の15.8%、「景気が悪い」は3.0ポイント減の17.6%となった。一方、「家族や同行者と休みが合わない」は1.2ポイント増の13.6%と増えた。

 海外旅行の方面別の動向ではアジア方面の人気が高く、特に韓国は5.2%増の40万1000人、台湾が8.4%増の14万2000人と好調。中国は昨年の上海万博の反動もあって32.0%減の27万4000人となる見込みだ。このほか、7月に遺跡発見100周年を迎えるペルーのマチュピチュ行きも好調。平均費用は燃油サーチャージの値上がりもあって5.4%増の23万4000円となり、土産代など現地支払費用を除いた消費額は0.7%減の5335億円となる見通し。

 このほか、震災の影響度合いの異なる東日本と西日本を比較すると、西日本は海外、国内ともに予約が堅調に推移している一方、東日本発は出遅れているという。特に海外旅行でこの傾向が顕著といい、ルックJTBでは西日本発、特に中部空港発の予約が好調。JTBでは、東海地方は製造業従事者の比率が高く、早期に休みが確定している人が多いためと分析している。ただし、東日本では6月中旬以降の予約の伸びが昨年を上回っているといい、今後間際の申し込みが急速に増加するとの見込みだ。

 なお、調査は6月1日から同13日にかけて、全国200地点で15歳から79歳までの1200名を対象に実施した。