2010年のクルーズ人口が回復、泊数は減少-日本寄港は九州増加

  • 2011年6月17日

外航クルーズ利用者数は過去3番目に

ロイヤル・カリビアン・クルーズの横浜クルーズも好調だった

 国土交通省がとりまとめた、「2010年の我が国のクルーズ等の動向について」によると、2010年のクルーズ人口は前年比13%増の18万8000人となった。リーマンショック後の景気低迷や新型インフルエンザの影響を受けて減少した2009年から約2万1000人増加し、2008年のレベルまで回復している。

 このうち、外航クルーズ利用者は24.3%増の10万2200人で、2年ぶりに10万人を超えた。外国船社運航船の利用者は28.7%増の8万6900人で、クルーズ元年といわれた2000年の10万9400人、2001年の9万6900人に次いで過去3番目に多い。日本船社運航船の外航クルーズも4.0%増の1万5300人となった。

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泊数は減少、人気方面に変化なし

 利用者数の増加に対し、外航クルーズの泊数は延べ88万2595泊となり、平均泊数は8.6泊。2009年よりも1.6泊、2008年よりも0.7泊減少している。内訳は1泊が26.8%と最も多く、5泊から7泊(25.4%)、8泊から13泊(17.7%)と続く。利用目的はほとんどが観光(95.4%)で、MICEのカテゴリーに入るインセンティブ(0.6%)、セミナー(2.0%)、は総体的には少ない。

 外航クルーズの海域別シェアの傾向には変化はない。最もシェアが高いのはアジア(27.6%)で、次いで北欧、バルト海(27.5%)だ。世界の三大クルーズエリアと言われる地中海、アラスカ、カリブ海については、日本では地中海が16%となったものの、アラスカは3%、カリブ海は4%で、今後の可能性がある。また、地中海と北欧、バルト海、その他ヨーロッパを合わせたヨーロッパ全体は45.3%でほぼ半分を占めており、クルーズでもヨーロッパは人気のデスティネーションになっているようだ。

 一方、国内クルーズは1.7%増の8万6200人と微増。国内クルーズの平均泊数は2.8泊で、2008年と2009年より0.2泊増とほぼ同じレベルだ。目的別ではレジャーが92.0%だが、そのうちのワンナイトクルーズが11.9%で、前年よりも13.9ポイント低下。不況の影響で手軽なワンナイトクルーズに集まったことの反動といえるだろう。また、団体旅行が4.6%で、前年よりも2.2ポイント上昇している。


日本寄港回数は6.0%増、外国船社は上位5位が九州・沖縄に

 日本へのクルーズ船の寄港回数は6.0%増の929回(53回増)と増加した。港湾別では横浜、神戸、博多、長崎、鹿児島の順だ。日本船社に限ると11.9%増の591回(63回増)と大きく増加。港湾別では横浜、神戸、名古屋、宮之浦、博多が上位5位で、人気ドラマで注目を集めた高知と長崎が15回であったものの前年の2倍以上に増加したという。

 一方、外国船社の寄港回数は2.9%減の338回(10回減)と減少。港湾別では博多が61回と最も多く、前年の2.2倍と大幅に増加している。このほか、3位の鹿児島も約2倍の45回となるなど、上位5位が九州・沖縄で占めており、インバウンドを中心にした九州のクルーズ市場拡大がうかがえる。

 なお、外航旅客定期航路の日本人乗客数は16.7%増の41万2800人。方面別では韓国が17.2%増の40万2100人と大きく増加した。外国人の利用者は80万6200人で、全利用者数は42.9%増の121万9000人となった。