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JATA、震災復興対応に注力-節電ふまえ、新たな旅行需要の創出に取組む

  • 2011年6月17日
JATA会長の金井耿氏

 日本旅行業協会(JATA)は6月16日に第55回定時総会を開催した。JATA会長の金井耿氏は、東日本大震災や福島第一原子力発電所事故が「未曾有の大災害として、旅行需要だけではなく日本経済全体に大きな影響を与えた」とし、「JATAの復興宣言にこめられた業界の知恵と力を結集し、この苦難の時を皆様と力強く乗り越えていきたい」と呼びかけた。

 JATAでは震災への対応として、震災発生直後から復興プロジェクトワーキンググループを設置し、被災地域の会員各社の会費の一部免除や、見舞金を送るなど対策を実施。4月15日には震災復興に向けた「JATA宣言」を発表した。さらにJATA宣言に基づいた具体的な支援策としては、ボランティアツアーの実施や、日本政府観光局(JNTO)と共同で、海外旅行先で海外の人々に絵葉書を渡す「日本からの”ありがとう”キャンペーン」を実施している。

 金井氏は今後の活動として、「既存の活動の継続強化に加え、節電に対応した新しい旅の形の追求など、具体的な活動をより強化して展開していきたい」考えを示した。さらに、風評被害や自粛ムードの払拭に向けた取り組みなどの支援策を旅行業経営委員会で検討していく方針だ。被災地域の視察や東北支部役員との意見交換、義援金の募集、ボランティア活動の実施も継続していく。

JATA事務局長の長谷川和芳氏

 そのほか、総会ではJATA事務局長の長谷川和芳氏が国際チャーター実施への取り組み強化、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)や「もう一泊、もう一度」の推進、一般社団法人への移行など、2010年度の取組みを説明。国際線チャーターに関しては、仙台空港でのチャーター便実現に向けて、国交省に空港の早期再開を働きかけるなどの取組みを実施したところ、6月末からの実施が決定した、という成果があがったという。


▽2011年度は新しい旅行需要創出へ-重点課題6項目掲げ

 2011年度は重点課題として6項目を掲げた。1つ目の「新たな旅行需要創出への取組み」では、夏の節電対策に伴う企業の夏休みの長期化をふまえ、国内外の長期滞在に適したツアーを提案し、観光局や関係機関と連携してプロモーションを展開していく。また、VWCや「もう一泊、もう一度」を継続し、旅行商品の購買意欲促進をはかる。また、2つ目の「旅行ビジネス環境の変化への対応と取組み」では、標準旅行業約款改定への実現に向けた取組みを続けていく。

 そのほか、「コンプライアンス、リスクマネジメント経営促進のための取組み」「更なる人材育成と人材開発」「広報活動の強化」「円滑な一般社団法人への移行と運営」を重点的に取り組むべき課題としてあげた。