JATA、燃油サーチャージ廃止訴え
航空局長に要望書提出
日本旅行業協会(JATA)は6月10日、燃油サーチャージの廃止などを訴える要望書を国土交通省に提出した。JATA副会長で海外旅行委員長の佐々木隆氏が国交省を訪れ、航空局長の本田勝氏に手渡した。
要望書では、JATAがかねてから求めていた燃油サーチャージの本体運賃への一本化と、一本化に向けた「検討委員会」の設置を強く求めた。また、一本化の迅速な実現が困難な場合には、燃油サーチャージ額の最小化と変動幅の縮小化を要望。さらに、旅行者から燃油サーチャージの理解を得られるよう、表示や説明などの改善に関して措置や指導を求めた。
本体運賃への一本化では、先ごろの国際航空運賃の規制緩和により、航空会社があらかじめ認可を受けた上限の範囲内で運賃を変更できるようになったことを受け、燃油サーチャージを一本化しても本体運賃の変更で燃油費用の変動に対応可能と指摘。「検討委員会」では、航空局と航空会社、JATAをメンバーとし、一本化への諸課題に対応できる体制を要望した。
一方、一本化が困難な場合における燃油サーチャージの最小化では、航空会社の燃油サーチャージ額適用基準の見直しを要請。現在、日系航空会社などではシンガポールケロシン市場価格の2ヶ月平均が1バレルあたり60米ドルを下回った場合に燃油サーチャージを廃止するとしているが、この基準を引き上げるなどして、燃油費用をできる限り本体運賃に組み込むように要求。また、「需要喚起、国民の利益という観点から、限度額の設定も有効な措置」と提案した。
このほか、表示、説明に関する改善では、航空会社から旅行者に対する周知の取り組みが十分ではないと指摘。政府としての理解向上の取り組みや、航空会社に対する指導強化を要望した。
なお、JATA理事長の柴田耕介氏は6月15日の専門誌記者会見で、「粘り強くやっていく」と語り、2月に海外旅行委員会の下に設置した「航空・空港問題部会」とも連携して、今後も継続的に働きかけていく方針を示した。