VWC、トルコの旅行拡大はFITとリピーターが鍵−観光開発促進事業で意見交換

 日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏は3月2日の定例会見で、2月に開催されたトルコでの観光オペレーション会議について報告した。これは、観光庁がトルコを対象に公募した平成22年度観光開発促進協力調査事業に応募し、落札受託した事業の一環。今回は、駐日トルコ共和国大使館文化広報参事官室と協力し、旅の安全や受入体制の整備、改善、プロモーション実施のほか、現地関係各所との連携を強化するねらいで、意見交換会と観光オペレーション会議を開催した。

 現在、トルコ旅行は周遊型で大型バスを利用するツアーが多い。そのため、運行前にバスのタイヤの磨り減り具合を確認したり、運転手が安全運転を守る宣言書を書いてバスに張り出すなど、安心安全な運行をするための取り組みが強化されているという。澤邊氏は、「トルコは観光オペレーションレベルが高い」と評価し、2010年に19万5000人だった日本人訪問者数の今後の拡大に期待を示した。

 また、今回の訪問を通じ、トルコ側の課題としてFITの増加とリピーターの取り込みが挙げられており、澤邊氏はさらなるプロモーションの強化とインフラの整備が必要と指摘。プロモーションでは、メインとなる都市のひとつ、イスタンブールが「安全かつ親日的でおもしろい文化の香りのする街」(澤邊氏)であるという魅力をアピールしていく。さらに、イスタンブール以外とその他の観光地とをつなぐインフラの整備について、交通網の整備ではなく、駅や拠点となる場所に地図を設置したり、英語の表記をするといった工夫が必要だという。トルコでインバウンドの旅行業関係者が集まる会議は初めてであったといい、予定数を大幅に超えた関係者が出席するなど、日本からの旅行者取り込みに拡大向けて積極的な姿勢が見られた。