「本物」でブランド力 関西の自治体や経済団体が連携しツアー試行

 「本物」をキーワードに関西のブランド力を高めようと、近畿の自治体や経済団体、国の関係機関が共同して取り組んでいる。昨年12月には集客プログラムとしてモデルツアーを試行、関係者約80人が「お茶」「水」をテーマにしたツアーに参加した。

 ツアーは、関西のブランド力向上推進のための準備会(橋爪紳也座長=大阪府立大学特別教授)が企画した。同会では、例えば全国に約1万2千点ある国宝や重要文化財の半数を有するなど、関西には非常に多くの資源があるものの生かしきれていないと分析。資源間の連携や情報発信が不足し、まさに"宝の持ち腐れ"になっているとみていた。

 2011年度から「茶の文化」を前面に関西ブランドを発信していく。モニターツアーはその前哨戦として、茶に欠かせない「水」をめぐるテーマで実施した。

 三十石舟が行き交い京都−大阪を結ぶ大動脈だった淀川を大阪市内の八軒屋浜から枚方市まで遡ったほか、京都・伏見では十石舟に乗船。船上などでは、京都宇治和束茶のプレゼンテーション、伏見の酒についての講演が行われた。

 橋爪さんは「毎年テーマを決めて本物の関西を国内外に向けて発信したい。誰もが相乗りして取り組める仕組みを構築する。関西を元気にしましょう」と話していた。


情報提供:トラベルニュース社