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ハワイ州観光局、2011年は新マーケット創造へ−2010年は122万人達成の見込み

  • 2011年1月13日
 ハワイ州観光局(HTJ)は2011年、「新しいマーケットを創る」を大きなテーマとし、マーケティング活動を展開していく。HTJ代表の一倉隆氏は、多様な素材があるなか、これまではフラなどもともとハワイが好きな人に焦点をあててきてきたが、「もう一度見直し、ターゲットを広げる」と説明。若者やファースト・タイマー、リピーターへの新たなアプローチをはかる。

 例えばこれまでのタグライン「ディスカバー・アロハ」「人生の中の、ハワイ」は、ハワイ好きや熟年を意識したものだが、今回は「想像より、おもしろい。ハワイ」として若者層にも受け入れられる内容を意識。ステレオタイプでないハワイをアピールする。また、リピーターとファースト・タイマー獲得を目的に「旅スポ ハワイ」を立ち上げ、レジャーでスポーツを楽しむ市場の取り込みをはかる。「ラン、ウォーキング、バイク、ゴルフ」に絞り、特設サイトでスポーツ関係の情報を発信しつつ、旅行会社に商品造成を促す。

 また、日本人訪問者の6割を占めるリピーターについて「彼らが知っているハワイはオアフ島がメイン」であるため、ハワイ島やマウイ島などの隣島への情報発信を強化。旅行会社と協力してネイバーアイランド・キャンペーンも展開するなど、取り組みを強化する。

 一倉氏は「旅行会社にはパンフレットの造成に力を入れていただいているが、どうやってハワイを売っていくのか、具体的な内容はあまり聞かれない」とし、「今回われわれがその部分をリードし、新マーケットを創っていくことで旅行会社の方々にも一緒に取り組んでいただけるよう、呼びかけていきたい」との考えだ。


▽2011年は125万人目標−座席対策も課題、経由便利用も促進

 2010年のハワイ日本人訪問者数は、目標としていた122万人を達成できる見込みだ。前年実績と比べると約9%増。2008年の水準も超えており、一倉氏は「2006年から4年連続で前年割れだったが、2010年はリカバリーした」と評価する。

 2011年はハワイ州として125万人を目標とする。座席数は「今年9月まで厳しい状況が続く」と予想するが、機材大型化の見込みのある航空会社もあり、年間では最終的に昨年実績の160万席程度から170万弱に増加することを期待する。さらに今後、大韓航空(KE)が週14便に増便するほか、ハワイアン航空(HA)も仁川線に就航。一倉氏によると、2010年は2万2000人がKEを利用してハワイへ行ったといい、今年はKEが1日100席程度を日本市場に割り当てる考えだという。そのため、特に福岡、熊本、岡山、新潟など西日本を中心に、経由便を利用した座席対策を実施していく予定で、「年間のターゲットは125万人だが、経由便利用を含め128万人程度まで増やしていきたい」と意欲を語った。

 なお、2010年11月の日本人訪問者数は、3.3%増の9万9089人。座席供給数が8.4%減の11万8464席と減少したなか、「強い需要があり、人数を伸ばすことができた」と評価。また、1人1日あたりの消費額も7.2%増の302.5米ドルと増加している。