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CITM2010、外国ブースは全体の4割、商談促進の試みも

  • 2010年11月22日
(上海発:特派 宮田麻未) 中国国際旅游交易会(CITM2010)が11月18日、上海新国際エクスポセンターで始まった。今回は5つのビルを使って行われ、会場の広さは全体で5万7500平方メートル。CITMは、中国の国内旅行のディスティネーションやプロダクトの見本市という面と、中国マーケットを開拓したい外国からの出展者による見本市という両面兼ね備えたトラベルマート。今年は、世界94ヶ国・地域が2243ブースを出展。このうち外国からの参加は全体の38.2%を占める865ブースとなった。

 初日は、中国国内から参加したバイヤーが、第1会場と第2会場に展示された中国各地域のブースに殺到し、外国ブースは比較的静かだった。しかし、ある国では、日本旅行業協会(JATA)の旅行博のおよそ3倍以上のスペースを確保して中国マーケットへの関心と期待の大きさを示し、1日中、途切れなくバイヤーが集めていた。また、日本関係の出展者も、九州観光促進機構などの初出展者を含めておよそ40のブースが並び、強い関心を示すバイヤーも多く見かけられた。

 CITMは、例年展示や資料の配布に重点が置かれ、直接会場で詳しく踏み込んだ商談が行われることはあまりないといわれていた。しかし、今年からはメイン会場での展示が始まる前に、バイヤーとセラーがアポイントを取り合い、じっくり時間をかけて商談を行う特別イベントが催された。「ゴー・チャイナ・サミット」と名付けられた、この商談会は11月16日、蘇州の蘇州国際エクスポセンターで行われ、アメリカやヨーロッパなどから参加した160社以上の外国人バイヤーと、200社を超えるセラーとの間で熱心な商談が行われた。また、上海の本会場でも、ブース内に大きな商談スペースを設ける所も多く、あちこちで、時間をかけて話し込むバイヤーも目立った。

 17日夜に行われた開幕式で中国国家旅遊局局長の邵偉氏は、「インバウンド、アウトバウンド、国内旅行の全ての面で、旅行業界は昨年と比べ着実に成長している。2008年の世界的な経済危機を回復するには観光が大きな力となる。中国政府はそのため行政措置や法改正なども検討している」と述べたが、会場内の熱気あふれる雰囲気は、その期待を裏付けるものといえそうだ。CITM2010は21日まで行われ、20日と21日は一般公開される。

 なお、来年のCITMは昆明で行われる。会期は2011年、10月27日から30日までの四日間。例年は11月下旬の開催だが、その時期には気温がかなり下がり、雨の日も多いことから、気候の良い10月に繰り上げが決定したという。


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