Marriott Bonvoy

モナコ、インセンティブツアー・セミナー共催−付加価値の提供が課題

  • 2010年11月16日
 モナコ政府観光局、オリエント・エクスプレス、シルバーシー・クルーズ、ジュメイラ・ホテルズ・グループはこのほど、「企業の活性化を促す報奨旅行の活用法」と題したインセンティブツアー・セミナーを共同で開催した。対象は企業や法人で、講師として投資メディア会社のザ・スリービー代表取締役の石田和靖氏とMPI Japan会長の浅井新介氏が登壇し、インセンティブツアーの効果や現状の課題が指摘された。

 浅井氏は、インセンティブツアーの効果を数値化して測る重要性を強調。評価の基準を定め、ROI(Return On Investment)を調査するべきで、そのためにゴールを明確化することが重要だとした。旅行会社はインセンティブツアーをマーケティングの一部と捉え、長期的なプランを出して継続するビジネスにしていく必要があるという。浅井氏は「交通や宿泊の手配に加え、旅行会社はどのような『価値』を企業に提供できるのか」がポイントであるとし、MICE業界のネットワークを活用する、現場へ赴くといった積極的な行動を呼びかけた。

 また、浅井氏はインセンティブツアーの効果として、人材育成と、優秀な人材の維持をあげた。優秀な社員ほど「成長の機会を与えられない」「自分の成果を認めてもらえない」と感じて辞める傾向が強いという。浅井氏はインセンティブツアー成功の秘訣を「何が社員のモチベーションを高めるのか徹底的に調査すること」とし、全員同じ待遇ではなく、トップ10人だけ区別するなど細分化も必要だと説いた。また、常に新たな提案をするために、専門誌や成功事例から学ぶことも必要だと述べた。

 さらに、石田氏も「海外のパワーを感じてくることで社員の成長、ひいては会社の成長につながる」とインセンティブツアーの効果を述べる。同氏の会社のインセンティブツアーでも、帰国後の社員にやる気の向上が見られたという。石田氏は「企業にとっては節税にもなる。インセンティブツアーは社員への効率のよい対価」であり、「海外の実態を肌で感じることが、新たなビジネスチャンスやアイディアにつながる」とインセンティブツアーを実施する利点をあげた。