クルーズ&フェリー学会設立 業界振興への貢献目指す

 クルーズとフェリー産業、造船業の振興に貢献することを目的に「日本クルーズ&フェリー学会」が設立された。

 設立総会は10月9日、堺市中区の大阪府立大学で開かれ、会長には同大学の池田良穂教授が選任された。今後、論文集や会誌の発行や講演会・シンポジウムなどの開催、調査・研究と得られた技術情報の提供などの事業を行っていくことを決めた。
 
 このあと日本長距離フェリー協会会長で商船三井フェリー社長の鈴木修氏が「フェリー業界の現状と課題」、池田教授が「クルーズ業界の現状と課題」、大阪大学准教授の梅田直哉氏が「クルーズ客船とフェリーの安全性に関する動向」、海事プレス社長の若勢敏美氏が「雑誌『クルーズ』20年の軌跡」を演題に講演。

 続いて「客船運航コストの削減と規制緩和」についてのパネルディスカッションが行われた。

 そのなかで鈴木氏は高速道路料金の問題で、長距離フェリー各社は貨物・旅客とも対前年比2割以上の減収で、瀬戸内海航路では減便という状況であることを訴えた。

 池田教授は、クルーズ産業が5兆円産業に成長、国家保護産業から自立産業に脱皮し、売上げの10−20%の高い利益率を出していることを報告。また「旅行会社にとっても売りやすく高い利益率が出せる商品」であることを紹介した。

 池田会長は「これまで14回、勉強会を開いてきた。後進のために組織をきちんとしておこうと会の設立を決めた。業界からもアカデミックなところから物を言っていただけるのはありがたい、とエールを送っていただいている」と話している。


情報提供:トラベルニュース社