2011年の業務渡航、エアとホテルが最大10%値上がりも−アメックス予測

 アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは11月1日、世界の業務渡航に関する市場予測を発表した。これは、各国の航空運賃の観測レポートや世界中の業務渡航費用に関する価格のデータベースなど複数のデータを元に算出したもの。これによると、2011年は世界の主要市場で航空運賃とホテルの宿泊料金が最大で10%値上がりすることが予想されるという。

 アメックスでは、2010年に入って企業が業務渡航の制限を解除してきており、2011年もこの傾向が続くと予想。一方、需要の拡大に対して航空座席や客室の供給量が限定されることから、2011年は価格決定の際にサプライヤーが優位に立つとする。


 地域別でみると、アジア太平洋地域が最も上昇幅が大きく、長距離国際線のビジネスクラスやデラックスホテルが5%から10%値上がりするとの分析。ただし、これは中国やインドなどの経済発展を反映したもので、日本市場については航空運賃は0%から5%、ホテルは1%から5%程度の上昇に留まる見込み。


 このほか、会議についても予測し、企業は会議全体の支出と開催頻度を増やすとしつつ、会議の規模は縮小し、会議1回あたりの平均支出は減少すると予想。設備関連費用も、オーディオビジュアル設備を除くと減少する傾向にあるという。また、ビデオカンファレンスなど新技術への投資も継続して増加すると見る。

 アメックスでは、2011年のこうした環境下での経費削減策として、競合他社の業務渡航費用との比較や航空券の早期予約、航空機と宿泊の同時手配などを列挙。また、ホテルが法人契約の際にキャンセル料を求める条項を追加したり、繁忙期のコーポレートレートの適用除外日を増やしたりする傾向にあると分析し、注意が必要とした。