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マレーシア、ロングステイプログラムの魅力強調−医療観光にも注力

  • 2010年9月24日
 マレーシア政府観光局はこのほど、アジア太平洋経済協力会議(APEC)観光大臣会合にあわせ来日した観光大臣のン・イェン・イェン氏主催の夕食会を開催した。ン・イェン・イェン氏は「東京を訪れた主な目的は、マレーシア・マイセカンドホーム・プログラム(MM2H)のプロモーションのため」とし、マレーシアの治安のよさ、温暖な気候、海や熱帯雨林に代表される美しい自然など、マレーシアでのロングステイの魅力をアピールした。

 MM2Hは10年間有効なビザで、希望する期間自由に滞在でき、いつでも出入国が可能だ。マレーシア観光省審議官のジュナイダ・リー・アブドゥラ氏によると、ターゲットは「ゴールデン・エイジ」と呼ばれる時間的にも金銭的にも余裕がある60代をメインにしたシニア層だという。2009年のMM2Hの利用者数は1578人で、うち日本人は169人でイランに次いで第2位だった。2010年の1月から8月は1041人が利用し、143人が日本人だった。アブドゥラ氏は「日本は潜在性が非常に高い需要」と分析。今後はMM2Hの参加を視野に入れたパッケージ商品の造成を旅行会社に働きかけ、MM2Hを検討する機会の創出をはかる考えだ。

 また、イェン・イェン氏は「ペナンやマラッカ、クアラルンプールなどで、国際基準にもとづいた病院や医療の専門家、職員などのインフラが整った」とし、医療観光にも注力していく姿勢をみせた。旅行客やロングステイ中の日本人に対し、健康診断や美容整形の利用を訴えていく方針だ。日本語で対応できる医師もおり、日本人を対象にした病院でスタッフの日本語研修を行うなど、言語の問題で日本人が煩わされないよう対策も実施している。

 なお、マレーシア政府観光局によると、2009年の外国人訪問者数は前年比7.2%増の2360万人と増加したが、日本人訪問者数は世界的な経済不況や新型インフルエンザの影響で、8.7%減の39万5976人と減少した。しかし、2010年は1.8%増の18万6603人と好調に推移しており、今年は目標の40万人を達成する見込みだ。


▽コタキナバル線の需要に期待、乗り継ぎ需要も見込む

 ン・イェン・イェン氏は、マレーシア航空(MH)の関空/コタキナバル線と羽田/コタキナバル線について「大変よい展開だ」と喜びをみせた。関空/コタキナバル線では、大阪と近郊都市の需要の掘り起こしをねらうとともに、マレーシアから大阪への訪日需要に期待をみせる。さらに、コタキナバルからマラッカやペナン、クアラルンプール線が運航していることから、コタキナバル以遠の乗り継ぎ需要にも期待できるという。


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