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ドイツ、見本市ビジネスで新規需要開拓へ−専門特化とマーケティングが重要

  • 2010年8月24日
 ドイツ観光局は8月19日、今年で13回目となる「ドイツ専門見本市ワークショップ」を開催し、各見本市日本代表部による座談会やセミナーをあわせて実施した。ドイツは世界で最も多い年間約140の国際見本市を開催しており、17万以上の出展社のうち外国からの出展は約半数を占める。同局マーケティングディレクターの西山晃氏は、ドイツが国際見本市の“プラットフォーム”となっていることから、世界有数の企業の動向や各産業のトレンドなど、ビジネス契約だけでなくマーケットリサーチにもつながることをアピールする。同局では、こうした情報を旅行会社に提供することで日本企業のニーズを掘り起こしてもらい、旅行会社と企業の双方にとって新たなビジネスに結び付けてもらうねらいだ。

 ドイツの国際見本市は、展示スペース数を基準とするランキングのうち上位6位中に4つがランクインしているほか、ヨーロッパ以外からのビジターが全体の約2割。外国人ビジターや出展社数の多さに加え、世界のリーディング企業が出展することでトップレベルのアイデアや製品を見ることができることもドイツならではだという。さらに、ドイツでの国際見本市は総合的なものではなく専門的になってきており、日本企業にとって効率よく営業やマーケティングできるメリットがある。各見本市日本代表部ではガイドツアーや視察プログラムを用意。食品分野が得意なケルンは現地の菓子小売店を視察したり、ベルリンはエレクトロニクスや鉄道などの技術分野が有名で、工場見学など10名から30名を超えるグループの視察も可能だ。都市間の交通が発達しているため周辺観光と組み合わせることもできる。

 また、旅行会社がこうした各見本市の専門性を確かめ、どの業界へアプローチできるかを絞り込みマーケティングすることが重要だ。そうすることで各企業のニーズを掘り起こし、見本市ビジネスへとつながるという。