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文化観光でNPO法人設立へ 大学教授や映画監督らスクラム

 地域文化の多様性を観光事業化して持続させようと、大学教授や映画監督、旅行会社社長らが取り組み始めた。都市と地方、マスツーリズムと着地型旅行という二項対立ではなく、文化をキーワードに互いを融合した交流型ツーリズムの創造を目指す。

 京都市内で6月6日に開かれた日本カルチャーツーリズム(小畑力人理事長=和歌山大学学長補佐・観光学部教授)の設立総会。関西を拠点に活動するメンバーがそれぞれのネットワークを駆使し、持続可能な観光開発を地域に促すことで、地場産業の再興や雇用創出に取り組み、地域経済の活性化に資することで一致した。

 具体的には、地域の生活文化や風土を観光資源として掘り起こす現地調査事業、着地型旅行や特産品の開発と販売支援事業、訪日客向けガイド派遣養成事業などを掲げた。地域と教育研究をコラボし、大学生ら若手が活躍できるよう人材育成事業も手掛ける。

 また、映画監督の中島貞夫さんが最高顧問に就き、地域の広報を支援する映像製作や情報誌の発行などのプロモーション活動も行う。

 現在NPO法人化を申請中で、今秋の認可後には設立シンポジウムの開催や、京都府が取り組む「カルチャー観光1000コース開発」事業に参画することなどを予定している。

 小畑理事長は「観光事業者と大学、関係企業・団体が手を組み新しい観光を創造していきます。地域文化を具体化した着地型観光と、マスツーリズム型の発地文化が経済活動として成立する手立てをつくりたい」と話している。

 事務局は、京都市のツアーランド(岡田榮社長)に置く。


情報提供:トラベルニュース社