現地レポート:米国フロリダ州、テーマパークだけではないオーランド
ダウンタウン・オーランド
現地の日常生活や文化をスパイスに
言わずと知れたテーマパークの街、米国フロリダ州のオーランド。ディズニー・ワールド・リゾート、ユニバーサル・オーランド・リゾート、シーワールド・オーランドなどの施設が1都市に集まっており、日本市場からも多くのファンが訪れている。一方で、その印象が強すぎるためかテーマパーク以外の魅力はあまり知られておらず、特に現地の人々の生活に触れる機会は少ない。その点、5月中旬のインターナショナル・パウワウにあわせて訪れた「ダウンタウン・オーランド」では、旅行をより豊かなものにできるであろう“日常”や“文化”を体験できた。
日々の暮らしを垣間見る
水辺の公園でファーマーズマーケット
多くの宿泊施設が集まるインターナショナル・ドライブから車で20分ほどの距離に、「ダウンタウン・オーランド」はある。日中はオフィス街を中心に6万5000人の人々が集まるようだが、訪れたのが日曜日であったこともあってか、さほど混みあってはいなかった。全体的にゆるやかに時間が流れている印象で、街中は清掃も行き届いており、居心地の良さを感じる。
ダウンタウン・オーランドの中心には「レイク・エオラ」という湖があり、その周囲は公園として整備されている。公園内では、遊歩道で犬の散歩をする人、ベンチで読書する人など、老若男女それぞれが思い思いに過ごしている。芝生にビニールシートを敷き、サンドイッチを片手にくつろぐカップルの姿を見ると、映画のワンシーンかポストカードを見ているような気分に。米国旅行に慣れた人にとっては何でもない光景だが、“らしさ”を肌で感じられるだろう。遊歩道は湖を1周して20分から30分程度の長さで、疲れたら湖畔のベンチやレストランでひと休みすることもできる。
可能ならば、ファーマーズマーケットが開催される日曜日の訪問をおすすめしたい。現地の人々で賑わうマーケットは20から30ほどのテントがならび、持ち寄られた農作物、ハチミツなどのほか、手作りの石鹸やアクセサリー、絵画、洋服なども売られており、見ているだけで楽しい。また、ハンバーガーやホットドッグ、オバマ大統領も好物というジャマイカ料理「ジャークチキン」などを提供する店もある。マーケットの中央部ではギターを抱えたミュージシャンが音楽を演奏し、合間に子どもたちが椅子取りゲームに興じるほほえましい姿も見ることができた。
小劇場で質の高い観劇体験
テーマパークが集める才能たち
オーランドは、多数のテーマパークがその最大の特徴であることは周知の事実だが、この特徴によってもたらされたものがもう一つある。それは、テーマパークで日々おこなわれるショーやパレードの出演者として、音楽や演劇、ダンスなど表現芸術の才能を持つ人々が多く集まってくること。そして、こうした人々がテーマパークの外にも活躍の場を求めた結果、街中の劇場で質の高いプログラムが提供されるようになったという。
街の主要な劇場は3軒で、このうちレイク・エオラ公園から徒歩5分ほどの距離にある「マッド・カウ・シアター」は、2つのホールの座席数が100席と50席。とてもこぢんまりしている。しかし、実際に着席して観劇してみると、この距離感も魅力に感じられる。マイクなしでも出演者の息づかいが聞こえるほどで、大きなホールとはまったく異なる臨場感があるのだ。同劇場のオーナーも「リビングルームのようにくつろいで楽しめる」とアピールしていた。
この日観ることができたのは「It Was a Very Good Year 1940」というミュージカル調のステージ。男女2名ずつがピアノ生演奏に合わせて歌いながら、1940年代のヒット曲や当時の時代背景を紹介する内容だ。字幕がなかったり、文化の違いや知識がないことで理解できなかったりすることはネックだが、「星に願いを」などの曲をいわゆる「古き良きアメリカ」のイメージそのままに歌う姿を見ていると、約1時間があっという間に過ぎてしまった。なお、同劇場の入場料は20米ドルから28米ドルという。
開拓時代から続くダウンタウンで街歩き
ナイトライフも充実
ダウンタウン・オーランドでの街歩きもおすすめだ。レイク・エオラ公園以外でも、開拓者たちの時代から続く街なだけあって新旧さまざまな建物が建ち並び、見ているだけでも楽しい。アート・ギャラリーや美術館、博物館などを歩いてまわるのも良いだろう。
また、若い旅行者向けの情報として、ダウンタウン・オーランドはナイトクラブやバーが60軒近くも集まる「夜の街」の顔も持ち合わせている。実際に深夜に訪れてみたが、クラブが大音量で音楽を流してにぎわっているかと思えば、バーで静かにグラスを傾ける姿も見られるなど、多様な過ごし方ができそう。ファストフード店も日付が変わっても開いていた。当然のことながら安全と断言することはできないが、深夜でも警察官が巡回しており危険性はまったく感じられなかった。
現地の日常生活や文化をスパイスに
言わずと知れたテーマパークの街、米国フロリダ州のオーランド。ディズニー・ワールド・リゾート、ユニバーサル・オーランド・リゾート、シーワールド・オーランドなどの施設が1都市に集まっており、日本市場からも多くのファンが訪れている。一方で、その印象が強すぎるためかテーマパーク以外の魅力はあまり知られておらず、特に現地の人々の生活に触れる機会は少ない。その点、5月中旬のインターナショナル・パウワウにあわせて訪れた「ダウンタウン・オーランド」では、旅行をより豊かなものにできるであろう“日常”や“文化”を体験できた。
日々の暮らしを垣間見る
水辺の公園でファーマーズマーケット
多くの宿泊施設が集まるインターナショナル・ドライブから車で20分ほどの距離に、「ダウンタウン・オーランド」はある。日中はオフィス街を中心に6万5000人の人々が集まるようだが、訪れたのが日曜日であったこともあってか、さほど混みあってはいなかった。全体的にゆるやかに時間が流れている印象で、街中は清掃も行き届いており、居心地の良さを感じる。
ダウンタウン・オーランドの中心には「レイク・エオラ」という湖があり、その周囲は公園として整備されている。公園内では、遊歩道で犬の散歩をする人、ベンチで読書する人など、老若男女それぞれが思い思いに過ごしている。芝生にビニールシートを敷き、サンドイッチを片手にくつろぐカップルの姿を見ると、映画のワンシーンかポストカードを見ているような気分に。米国旅行に慣れた人にとっては何でもない光景だが、“らしさ”を肌で感じられるだろう。遊歩道は湖を1周して20分から30分程度の長さで、疲れたら湖畔のベンチやレストランでひと休みすることもできる。
可能ならば、ファーマーズマーケットが開催される日曜日の訪問をおすすめしたい。現地の人々で賑わうマーケットは20から30ほどのテントがならび、持ち寄られた農作物、ハチミツなどのほか、手作りの石鹸やアクセサリー、絵画、洋服なども売られており、見ているだけで楽しい。また、ハンバーガーやホットドッグ、オバマ大統領も好物というジャマイカ料理「ジャークチキン」などを提供する店もある。マーケットの中央部ではギターを抱えたミュージシャンが音楽を演奏し、合間に子どもたちが椅子取りゲームに興じるほほえましい姿も見ることができた。
小劇場で質の高い観劇体験
テーマパークが集める才能たち
オーランドは、多数のテーマパークがその最大の特徴であることは周知の事実だが、この特徴によってもたらされたものがもう一つある。それは、テーマパークで日々おこなわれるショーやパレードの出演者として、音楽や演劇、ダンスなど表現芸術の才能を持つ人々が多く集まってくること。そして、こうした人々がテーマパークの外にも活躍の場を求めた結果、街中の劇場で質の高いプログラムが提供されるようになったという。
街の主要な劇場は3軒で、このうちレイク・エオラ公園から徒歩5分ほどの距離にある「マッド・カウ・シアター」は、2つのホールの座席数が100席と50席。とてもこぢんまりしている。しかし、実際に着席して観劇してみると、この距離感も魅力に感じられる。マイクなしでも出演者の息づかいが聞こえるほどで、大きなホールとはまったく異なる臨場感があるのだ。同劇場のオーナーも「リビングルームのようにくつろいで楽しめる」とアピールしていた。
この日観ることができたのは「It Was a Very Good Year 1940」というミュージカル調のステージ。男女2名ずつがピアノ生演奏に合わせて歌いながら、1940年代のヒット曲や当時の時代背景を紹介する内容だ。字幕がなかったり、文化の違いや知識がないことで理解できなかったりすることはネックだが、「星に願いを」などの曲をいわゆる「古き良きアメリカ」のイメージそのままに歌う姿を見ていると、約1時間があっという間に過ぎてしまった。なお、同劇場の入場料は20米ドルから28米ドルという。
開拓時代から続くダウンタウンで街歩き
ナイトライフも充実
ダウンタウン・オーランドでの街歩きもおすすめだ。レイク・エオラ公園以外でも、開拓者たちの時代から続く街なだけあって新旧さまざまな建物が建ち並び、見ているだけでも楽しい。アート・ギャラリーや美術館、博物館などを歩いてまわるのも良いだろう。
また、若い旅行者向けの情報として、ダウンタウン・オーランドはナイトクラブやバーが60軒近くも集まる「夜の街」の顔も持ち合わせている。実際に深夜に訪れてみたが、クラブが大音量で音楽を流してにぎわっているかと思えば、バーで静かにグラスを傾ける姿も見られるなど、多様な過ごし方ができそう。ファストフード店も日付が変わっても開いていた。当然のことながら安全と断言することはできないが、深夜でも警察官が巡回しており危険性はまったく感じられなかった。
コンチネンタル航空「ビジネスファースト」クラス、
長距離フライトも快適に
新フルフラットシートで満足度向上
オーランドは日本発着の直行便がなく、地理的にも日
本から離れているため、必然的に飛行時間は長くなる。
今回はコンチネンタル航空(CO)でニューヨークのニュ
ーアーク空港を経由したが、合計飛行時間だけでも16時
間の長旅だ。ビジネスクラスのありがたみは、こんな時
にこそ実感できる。座り心地、寝心地の良いシート、贅
沢な機内食、疲れた身体を眠りへといざなうナイトキャ
ップ――。
特にCOは、太平洋路線で使用するボーイングB777型機
に新型シートの搭載を進めている。もともと「ビジネス
ファースト」としてビジネスクラスの運賃でありながら
ファーストクラスと肩を並べる広さと快適さを売りにし
ているが、従来のシートと比較すると、リクライニング
の角度が170度から180度の完全な水平に、シート幅は新
シートの肘掛けを下ろした場合、56センチメートルから
63.5センチメートルに拡幅。たった10度、ほんの数セン
チメートルの差であっても感覚的な違いは相当なものだ。
荷物のスペースも拡大したほか、パソコン用の電源やヘ
ッドホン、iPod用プラグに加え、USBプラグが各シート
の上部に収納されており、使い勝手が良い。
昨年B777型機への導入が完了したオンデマンド型エン
ターテイメントシステムも、新シートであれば15.4イン
チ(以前は10.6インチ)の大画面で楽しむことができる。
新システムは、実際に使ってみてまず操作性の高さに驚
いた。タッチスクリーン式なのだが、反応が非常にスム
ーズでストレスを感じない。また映画250本、ビデオ350
本、音楽3000曲、ゲーム25種という膨大なプログラムが
用意されており、本当に選びきれないほどだ。
また、「エリートアクセス」サービスの利便性の高さ
も実感した。エリートアクセスは「ビジネスファースト」
の顧客やマイレージのエリートメンバーが専用のチェッ
クインカウンターや優先搭乗口などを利用できるもの。
ニューアーク空港で国内線に乗り継ぐ場合、一度入国手
続きを済ませてから再度セキュリティチェックを受ける
必要があるが、エリートアクセスの専用レーンが用意さ
れ、エコノミークラスの乗客を横目に素早く進むことが
できる。オーランド空港での出発時も同様で、時は金な
りというが、運賃の対価として時間を節約できているこ
とが目に見えてわかる瞬間だ。
なお、6月4日現在で新シートの導入を終えているB777
型機は、COが所有する20機のうち10機。今後、9月末月
までにすべてのB777型機への導入が完了する見込みだ。
取材協力:USトラベル・アソシエーション、
オーランド・コンベンション&ビジターズ・ビューロー、コンチネンタル航空
取材:本誌 松本裕一