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ドバイ政観、報道に振り回されず国の価値に注目を−MICEセミナーでアピール

  • 2009年12月7日
 ドバイ政府観光・商務局日本事務所は12月1日、VWC2000万人推進室の協力を得てMICEセミナーを開催した。11月25日以降、金融各社の株価が暴落した“ドバイショック”については、日本でもドバイのバブルが崩壊し、建設ストップや人の流出がとまらないといった報道がされたが、海外投資に関するメディアを企画・運営するザ・スリービー代表取締役で、中東の金融事情に詳しい石田和靖氏は「報道は不安をあおるものばかり。これに振り回されず、ドバイが世界中から金や人が集まる国であることに注目して」と語る。

 ドバイは石油埋蔵量が少ないため、政府は2015年をめどに石油に頼らないストラテジック・プランを掲げ、それに向かって国づくりをしてきた。その結果、外国資本が流入し、住民の8割が外国人、ホテルの従業員の国籍が100にものぼる多様性といった特異性をもつ国となった。アラブ諸国にあって異教徒に寛容であり、垢抜けしておしゃれな雰囲気をかもしだす。そうした国の価値を忘れてはいけないと強調する。さらに石田氏は以前、ドバイの金融現場をめぐるツアーをジェイティービーとともに実施した経験があり、街づくりモデルの視察で横浜市長と杉並区長を案内したこともある。ドバイはこうしたテーマを持つ視察旅行にはうってつけであり、魅力が失われていないと話した。

 ドバイ政府観光・商務局旅行業界担当マネージャーの中谷リナ氏は、今年も2.5%の経済成長を遂げたことを示し、ドバイ経済の安全性と国力の強さをアピールした。ホテルの稼働率は73%に落ちたが、これはホテルの軒数が増えたことによるものであるとのこと。また、10月から3月は食品、医療などさまざまな分野で数多くの見本市が集中的に開催され、さらに以前はVIPでなくては見学許可がおりなかった施設でも規制が緩和される傾向にあるという。この先もMICE市場に対する提案を続けてほしいと旅行会社への要望を伝えた。

 なお、2010年3月28日から、成田線を就航するエミレーツ航空(EK)東日本支店旅客営業部シニアセールスサポートアシスタントの唐澤郁朗氏は、同路線の就航により日本/ドバイ間の座席数が1日350席増加することになることを説明。大きなグループでの利用が可能であることをアピールした。