フラトン・ホテル、日本人シェアが20%増と好調−日本市場に注力姿勢は継続

  • 2009年11月12日
 シンガポールのザ・フラトン・ホテルの日本人シェアが前年比20%増と好調だ。これは、このほど来日した同社シニアセールスマネージャーのジュディ・オング氏が本紙取材に答えたもの。オング氏は、「旅行会社向けに競争力のあるレートを提示したことが奏功した」と話し、「日本の旅行会社との関係強化につながった」と評価する。2010年末には高級ホテルやカジノ、ショッピングモールなどからなる総合リゾート「マリーナ・ベイ・サンズ」も全て完成する予定で、「さらなる認知向上を含めてプロモーションを強化したい」と述べた。

 フラトンホテルはシンガポールの金融街に位置しており、宿泊客の中心はビジネス客だったが、2008年秋のリーマンショック以降景気低迷の影響によりレジャー層の取り込みへの転換が必要となっていた。日本人宿泊者はビジネス客をメインに5%程度のシェアを維持していたが、10%への拡大をめざし日本市場のレジャー需要取り込みを進め、現時点ですでに25%のシェアまで拡大した。オング氏は、「日本企業のインセンティブなどの受注もあり少しずつビジネス需要も戻ってきている」と述べ、「今後は日本市場に対してレジャーとビジネスの両方に注力していきたい」と意気込む。

 2010年の具体的な予算額は11月末までに決定する予定だが、旅行業界と消費者それぞれを対象とした予算を投入しプロモーション活動を展開する方針だ。また、2010年3月には新たなホテル、「ザ・フラトン・ベイ・ホテル」がオープンする。オープン後3ヶ月間は消費者向けと旅行会社向けにスペシャルレートを提供し集客をはかる。また、現在直販よりもパッケージツアーでの利用者が多いことから今後も旅行会社との関係性を重視する姿勢を示した。


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