ANAグ、中国人の訪日促進で「大プロジェクト」−下期6万人に向け始動

 全日空(NH)グループは10月9日、中国人訪日観光ビザの解禁を受けて「ANA来て見て日本!訪日大作戦」を開始する。国内を周遊しやすくなる新運賃や旅行中の中国語関連サービスの拡充、協力企業による特典などさまざまな施策を実施する計画。ANAセールスも日本国内各地を巡る個人型旅行や北海道の団体旅行などを企画し、中国の地元旅行会社を通して販売する。NHでは、2009年度の中国人旅客の目標を10万5000人としているが、上期は景気後退や新型インフルエンザなどにより4.5万人にとどまっており、同プロジェクトにより目標を達成したい考えだ。

 運賃は、NHグループの国内線を最大4区間搭乗可能な中国発の「日本全景遊」運賃を設定。設定期間は10月9日から12月31日まで。中国/日本間の往復と国内4区間に搭乗可能で、北京発エコノミークラスの場合は6100中国元(約7万9000円)に設定。日本滞在日数6日間以上が条件で、ビジネスクラスも用意している。

 中国語サービスでは、従来から実施している携帯電話の貸し出しサービスのほか、10月23日から来年3月31日まで中国語のヘルプデスクを設置。指定会社の中国語ヘルプデスクサービス付き携帯電話レンタルサービスの利用者に、旅行中のトラブルに関する相談を電話で受け付ける。また、空港職員による中国語の案内も充実する。

 また、ANAセールスでは、さまざまな素材を選択して組み立てられる自由度の高い旅行を用意。北海道、東京、名古屋、関西の4地区が中心で、例えば関西では食事に湯豆腐、京懐石、たこ焼きなどのプランを選択することができる。北海道では団体旅行も実施する予定で、個人型旅行で用意する各種の素材を活用する。このほか、JR東日本とのコラボレーションによる商品も設定する。

 他企業との連携は中国銀聯、IHG・ANA・ホテルズグループジャパン、チェルシージャパン、マツモトキヨシホールディングスとも実施し、ショッピング時の割引などそれぞれが特典を提供する。