09年訪日客700万人割れか−JNTO間宮氏、韓国と台湾のリカバリーに期待

  • 2009年10月8日
 2009年の年間訪日外客数が700万人に達しない可能性があることが分かった。日本政府観光局(JNTO)が10月7日に開催した記者発表会で説明した。具体的な根拠はないものの厳しい状況といい、JNTO理事長の間宮忠敏氏は、2010年1000万人達成の目標について、「あと1年強残っている。2010年はビジット・ジャパン・イヤーと銘打って色んな手を使ってフルスイングで取り組む」と強調した。

 JNTOによると、世界的な景気の低迷や円高に新型インフルエンザが追い討ちをかけ、訪日外国人客数が13ヶ月連続で前年を下回った。一方で、前年比37.7%減の42万4700人となった6月以降、7月は23.3%減、8月は8.4%減と回復傾向にあり、「減少幅が縮小してきた上に、中国個人ビザの効果も出てきている。期待を捨てずに取り組みたい」(間宮氏)考えだ。

 また、韓国と台湾からの訪日外国人客数減少が大きな影響を与えていると分析。間宮氏によると、韓国、台湾の両国で1月から8月までの累計で約108万人減少しており、全体で約150万人減少したうちの72%にあたる。特に韓国は景気低迷や出国率の落ち込みが目立つが、「もともと出国率の高い国民性がある」との見方から「長続きせずに反転するだろう」と期待を示した。


▽2020年2000万人前倒しには国としての受入体制整備を

 また、国土交通大臣の前原誠司氏が2020年に2000万人の目標を前倒しで達成したいと述べたことに対し、間宮氏は「観光が成長戦略の筆頭であるということ。励みになる」と歓迎した。その上で、観光立国には「豊富な観光資源」「観光資源を魅力的にする受入体制の整備」「プロモーションの強化」の3要素が必要と指摘。日本にはすでに豊富な観光資源があり、プロモーションはJNTOが「今まで以上に効率的かつ効果的なプロモーションを展開する」方針であることから、「国として受入体制の強化を推進してもらいたい」と要望した。