Marriott Bonvoy

スカンジナビア、09年日本市場は5%減見込み−今後は「掘り下げた情報」も

  • 2009年10月5日
 スカンジナビア政府観光局(STB)は10月2日、東京でスカンジナビア・ワークショップ&セミナーを開催した。9月30日に大阪で行われたセミナーと同じもので、ワークショップには日本をはじめデンマーク、ノルウェー、スウェーデンのスカンジナビア3ヶ国および周辺国から約30団体が出展し、現地の最新情報や資料を提供した。STB局長の宮本拓氏は、新型インフルエンザの影響で今年の日本人訪問者数は前年比5%減になりそうとの見込みを示しつつ、「STB本局は日本マーケットに大きな期待を持っている。業界のみなさんと力を合わせて盛り上げていきたい」と語った。

 セミナーでは、宮本局長がスカンジナビアを取り巻く状況から説明。ここ3年ほどでテレビでの露出が増えたため、若い世代への訴求が効果をあげていると指摘。さらに最近は、環境保護の高まりに合わせて「グリーン・サンタ」への注目も高まるなど、さまざまな分野でデスティネーションとして紹介されることが増えているという。

 しかし今年は5月以降、新型インフルエンザの影響を受け、繁忙期である6月から9月の夏期シーズンが前年比30%減で推移するなど、大打撃を被った。その後、値下げやルート変更など旅行会社側の努力により回復基調を示し、現在のところ、年間を通じてみると5%減まで盛り返しそうな気配だという。

 続いて、日本におけるノルウェーのマーケティング結果について触れ、「独自のアンケート調査によると、シニア層に加え、学生層もノルウェーに対して高い興味を持っていることが判明」したと紹介。観光資源として認知されているのはオーロラ、白夜、フィヨルドの順で、続いてフッティルーテン(沿岸急行船)、アウトドア・アクティビティと続く。中でもシニア層はフッティルーテンに、学生層はアウトドア・アクティビティに高い興味を示していることが判明した。学生は実際に旅行するとなるとコストの壁があるが、宮本氏は「2月から3月の冬の観光に合わせ、旅行会社に安価なツアーを造成してもらっているところ。大いに期待したい」と語った。

 このほか、北欧というくくりではあるものの、訪問者のリピート率が50%にも達し、そのうち3回以上のリピーターが40%にものぼることが判明。「今後は掘り下げた情報提供が必要」という認識を示した。