旅行業・観光業DX・IT化支援サービス
Marriott Bonvoy

オーストラリア、SIT強化で多様なニーズ獲得へ−集客に直結する活動を強化

  • 2009年9月30日
 オーストラリア政府観光局(TA)は2009年下期と2010年上期に、オーストラリアの強みをSITとして打ち出し、多様化したニーズに積極的に対応する。TA日本局長の堀和典氏は、「日本は消費者のニーズが細分化し、少量多品種の時代。旅行でいえば、目的志向つまりSITに向かっている」と分析。こうした「少量多品種」なニーズに合致した旅行を提案するため、オーストラリアの持つテーマや素材のうち優位性が高いものを訴求する考え。また、従来以上に集客に繋がりやすい活動をめざし、州政府観光局や航空会社と連携しつつプロモーションを展開する方針だ。

 ターゲットには20代から30代の女性層と50歳以上の男女の層を設定。テーマとしては、これまで焦点を当ててきた「世界遺産」に加え、「野生動物」「セルフドライブ」「フード&ワイン」などを打ち出す。また、20代から30代の女性層には「マラソン」「スパ&ナチュラルコスメ」「アボリジニ文化とアウトバック」、熟年層には「ワイルドフラワー&ガーデン」「トレッキング&ウォーキング」「ゴルフ」など、ターゲットごとのテーマも設定する。例えばセルフドライブでは右ハンドルで左側通行であることから運転しやすい点など、いずれのテーマもオーストラリアならではの強みを打ち出している。

 プロモーション方法としては、2008年に続いてジョン・カビラさん、高橋尚子さんなどの「ストーリーテラー」を起用し、実際の体験談を通して各テーマの魅力を訴える。また、TA公式サイト内に、テーマや時期、エリアごとにSITアクティビティが検索できる「オーストラリア体験ナビ」を9月29日に開設。実際の集客に結びつくよう、エイビーロードと協力して検索した内容に沿った旅行商品を表示することができるようにした。


▽プロモーションは「SIT」「店頭」「教育旅行」の3本柱で

 SITの強化は、09年下期/10年上期のプロモーション計画の一環で、計画ではSITに加えて「旅行会社の店頭向けプログラムの強化」「教育旅行マーケットの回復」を柱として活動を展開する。

 店頭向けプログラムでは、すでに日本旅行業協会(JATA)の協力のもと「JATAデスティネーション・スペシャリスト/オージー・スペシャリスト・プログラム(D/S ASP)」を導入し、120名が受講登録をしているという。また、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の一環として大規模な研修旅行、セミナーなども予定。これらは、SITのテーマに沿う内容とする方針だ。このほか、店頭ディスプレイコンテストを3年目となる今年も開催する。

 教育旅行への取り組みでは、5月のインフルエンザ渦のさなかに就学旅行を実施した学校へのインタビューを、教育関係の媒体やTAの教育旅行サイトで露出するほか、せいと向けの事前学習用の教材などを新たに製作。また、教育旅行サイトも2010年1月に刷新し、情報や機能を充実させて学校関係者にとっての利便性を向上。同時期には、学校関係者向けのメールマガジンも発行を開始する。

▽関連記事
オーストラリア、店頭スタッフの教育プログラム開始へ−JATAのD/Sと連動(2009/08/06)