ベネズエラ、観光促進へ−インバウンド事業の「国民観光プログラム」を作成

  • 2009年9月29日
 ベネズエラ観光大臣のペドロ・モレホン氏がJATA世界旅行博にあわせて来日、これにあわせて開催したセミナーで、ベネズエラ観光公社のロドリメルス・ペレス氏がプレゼンテーションを実施した。ペレス氏によると、ベネズエラでは昨年のアウトバウンドの客数が174万人を超えたのに対し、インバウンドでは74万人にとどまったといい、ここ10年間の統計でもインバウンドは8.7%しか伸びていないという。そこでベネズエラ観光省ではこの傾向を覆し、観光促進をめざして「国民観光プログラム」を作成した。

 内容は多岐にわたり、観光事業に市民が積極的に参加し、観光地を運営していく市民参加観光プログラム、観光客と観光地の安全を確保する観光警察の設立、観光サービス提供者に対する教育プランなどが含まれる。また、観光サービスにおいて一定の品質を維持するための基準を設け、それを順守する規則やマニュアルを策定。査察を強化するなどし、観光地の質を向上させ観光客の満足度を高めていくという。さらに、宿泊施設の購入や拡大など旅行事業の拡大をはかるほか、新規参入者には一般よりも低い金利による貸し付けを行なうともいい、国内の観光業の活性化に積極的に取り組む姿勢を示した。

 ペレス氏は「ベネズエラは石油だけの国ではない。すばらしい観光素材がある」とデスティネーションとしての魅力を強調。10月1日から4日にかけてベネズエラ国内で国際観光見本市が開催されることを紹介し、参加を呼びかけた。

 なお、観光地の紹介では、旅行作家の高橋大輔氏が登壇。世界自然七不思議コンクールにおいて最終選考に残っているエンジェル滝を擁するカナイマ国立公園の魅力について語った。岩が風雨によって腐食してできた奇岩郡や食虫植物をはじめとする珍しい植物、テーブルマウンテンといったここだけの楽しみを紹介。公園内にあるロマイマ山の風景は映画『ジュラシック・パーク』の下敷きとなった小説『ロスト・ワールド』の舞台となっているといい、30億年前にできた地形と独特の進化を遂げた動植物の不思議を想像させる。