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ローマ、第2の観光の中心地プロジェクトを紹介−欧州最大の会議施設など

  • 2009年9月25日
 ローマ市副市長のマウロ・クトルフォ氏はJATA世界旅行博に合わせて開催した記者会見で、第2の観光中心地プロジェクトを紹介した。これはローマ市の再活性化のために考案された都市開発計画で、フィウミチーノなどを含む市内4つの行政地区で観光における5つの基礎システム、会議や見本市関連施設、ヨット・クルーザー関連施設、ゴルフ場、テーマパーク、緑地公園の拡充をはかるというもの。予定されている23件の開発うち40%はすでに着手しており、完成に近いものもあるという。クトルフォ氏は、「このプロジェクトはイタリアでかつてない壮大な観光促進企画で、周知の歴史的な素材に新しい魅力が加わる」として期待を寄せている。

 会議施設では新たに「フクサスの雲」と呼ばれるヨーロッパ最大規模のコングレスセンターを建設。最大9500人を収容可能で、完成は2010年末を予定している。また、テーマパークはローマのブランドともいえる古代ローマ遺産を活かした文化的な「ルーディ・ディ・ローマ」、映画に主眼を置いた「チネチッタ・ワールド」をつくる。いずれもイタリアの文化に焦点をあてたテーマパークとなりそうだ。


▽ウェブサイトに観光案内など日本語への対応も

 さらにクトルフォ氏は、「サービスの質を高めることでイメージを向上し、より多くの人に来てもらいたい」と述べる。その例として言語の問題を取り上げ、フランス語やドイツ語のヨーロッパ系言語に加え日本語のウェブサイトを立ち上げることを伝えた。また、観光情報案内の電話サービス「060608」では、10月から日本語での対応を開始する。毎日午前9時から午後9時まで通常の市内通話料金で利用可能だ。

 そのほか、移動式案内サービスも用意。市内各所の観光案内所とは異なり、ツーリストエンジェルと呼ばれる案内人がセグウェイに乗って主要スポットや車両では通行できないエリアなどを巡回し、観光客にアドバイスをする。5ヶ国語に対応しており、日本語を母国語とする若者も4、5名配置される予定だという。

 なお、2008年のローマの日本人訪問者数は37万人で外国人訪問者総数の6.9%を占める。2009年1月から7月までの訪問者数は前年同期比7.4%減、のべ滞在日数も9.1%減となったが、2008年と2007年の同期比が訪問者数12.6%減、のべ滞在日数15.8%であったことから、ローマ市およびラツィオ州では徐々に回復傾向に向かっているとみている。