JATA世界旅行博が開幕−参加国・地域は151、需要喚起に期待

 日本旅行業協会(JATA)が主催する「JATA世界旅行博2009」が9月18日から20日までの日程で開幕した。オープニング・セレモニーでJATA会長の金井耿氏は集まった旅行業関係者に対して、「世界中を見渡しても、観光業界を取り巻く状況は決して明るいとはいえない」としつつ、「我々は互いに協力してこの難局を乗り切らなければならない。旅行博の場を最大限に活用し、各国・地域の魅力と情報を力強く発信し、ビジネスチャンスを日本の旅行業界と共に拡大していただきたい」と強調した。続いて挨拶に立った観光庁長官の本保芳明氏も、「観光庁は各国との観光交流の進展に最大限の努力をしている。ぜひ共に歩んでいただきたい」と語った上で、旅行博が旅行業界の活性化や旅行需要の喚起につながるよう期待を示した。

 今年は、全世界から151ヶ国・地域が出展し、前年の136ヶ国から大きく増加。出展コマ数は980コマから932コマに減少したものの、金井氏は「円高の影響で同じ予算でもコマ数が減った出展者もあった。この厳しい状況下で、積極的な対応をもらえた」とし、「日本市場への期待がかなり高まっている」と認識を説明。また、「今年は天候にも恵まれそう。高校生以下の入場料を無料にしたこともあり、来場者数は新記録をねらえる」と語り、需要喚起効果に期待を示した。

 なお、今年の旅行博は「ミート・ザ・ワールド」と題し、日本に観光関係の出先機関がない国に場所を提供。初めての試みながら、31ヶ国・地域が参加しているという。また、来年には南アフリカでのワールドカップ開催を控えていることもあってアフリカに焦点を当てたほか、「旅行に出るきっかけ作り」として2回のトークショー、人材育成を目的として学生向けスタディツアーを実施。さらに、今年も学生を招いて若年層の海外旅行離れなどの課題について議論するタウンミーティングを開催する予定で、約130名が参加予定という。