ドーチェスター、独自のサービスで差別化はかる−日本人向けサービスも充実

  • 2009年9月16日
 ドーチェスター・コレクションのうち、ザ・ドーチェスター・ロンドン、ル・ムーリス・パリ、そしてオテル・プラザ・アテネ・パリのセールス担当者が来日。都内で懇親会を開催し、集まったメディアに対しそれぞれ新しい現地情報やプロダクトについて説明した。

 今年就任したばかりのドーチェスター・ロンドン、シニア・セールスマネージャーのピーター・エドホルム氏によると、現在の日本人シェアは1%から2%。室内に日本語の新聞や日本茶をセットし、ツインベッドルームを準備するなど日本人ゲスト向けのサービスが充実している。日本人をターゲットに据えてのことだが、朝食にも和食を用意したところ人気が高く、日本人以外のゲストからもリクエストが多いという。11月には日本のインセンティブグループの利用が決定。120泊分の予約が入っているといい、注目度が高まっていることを示した。

 今回初めて来日する同氏は、日本は「なにもかもがきちんとオーガナイズされており、どこへ行っても細やかで行き届いたサービスが提供されている」と感じたという。実際のところ、日本人客からはかなり細部にわたってリクエストがされるといい、それにはオンライン予約よりもさまざまなリクエストができる代理店経由の予約はむしろいいことではないかとの考えだ。「ほかにも高級ホテルはあるが、我々のプロダクトとはまったくの別物。本物を求める人には必ずドーチェスターが選ばれる」と、良質なサービスを身上とするドーチェスターだけに、より注文の多い日本人客の取り扱いにも自信を見せる。日本市場ではインセンティブだけでなく、全体的にバランス良くセールスを展開して行く考えだ。

▽ル・ムーリス・パリ、日本人宿泊者が10%増と好調

 一方のル・ムーリス・パリの平均日本人シェアは7%から8%。セールスマネージャーの鈴木猛彦氏によると、新型インフルエンザの影響を懸念していたが、予想を裏切って日本人の客足が増え、今年は前年比10%増と好調に推移しているという。日本人が好む立地であることが良い結果に繋がっていると考えられるが、ある日本車のテレビCMで外観が映し出されたことから「若い人を中心に知名度があがったのでは」と分析する。レストランだけを利用しにやってくるレジャー客も多いといい、少しでも“あのホテル”を体験したいという人が増えた証ではないかと話す。


▽オテル・プラザ・アテネ・パリ、エッフェル・スイート増室をアピール

 また、オテル・プラザ・アテネ・パリでは昨年クリスチャン・ディオールのスパをオープンし、さらにエッフェル塔を望む「エッフェル・スイート」を2室増設した。従来のエッフェル・スイートは最上階に位置しているため塔を俯瞰するが、今回増設された部屋はちょうど目線の先に塔が見える低層階にある。そのため、窓枠を額縁とした絵画のようにエッフェル塔が見えユニークだ。パリ市の発表によれば、今年はエッフェル塔完成から120周年ということで、エッフェル塔のライトアップが年末まで“スペクタクル”に変わるという。塔の全景を捉える同室からも美しく見ることができるだろう。さらに、秋から冬にかけて家族連れが増えるという同ホテルではこれからのシーズン、子どもを対象としたプログラムを毎年開催する。11月は中庭にメリーゴーラウンド、12月、1月はスケートリンクを設置してスケート靴の貸し出しも実施する。ファミリー層に向けた高級ホテルステイを新たに提案できるという。