HIS、業績予想を下方修正、最終利益は34億円に−第3四半期は減収増益

  • 2009年9月15日
 エイチ・アイ・エス(HIS)の2009年10月期(2008年11月1日〜2009年7月31日)の連結業績は、売上高が9.6%減の2321億1800万円となったものの、営業利益は92.7%増の36億2500万円と好調に推移した。経常利益は、為替予約で営業外費用が発生したため10.7%増の26億1100万円、当期純利益は前年に特別損失を計上していたことから(※)15億1500万円増の16億5200万円となった。しかし、経営環境の厳しさが今後も続くとの見通しから、通期の連結業績予想は下方修正した。修正後の予想は最下部の表を参照のこと。

 期間中、HISでは積極的な広告・営業展開を実施。販売面では、4月から燃油サーチャージが値下げされたことを受けて「HISスーパーバザール」を実施したほか、チャオの発売20周年、インプレッソの発売10周年を記念したセールも展開した。このほか、「いい旅研究室」による商品設定、グローバル化の推進、オンラインの旅行サービス拡充の継続などの施策も実施した結果、日本人出国者数に占めるシェアを3.2ポイント増の17.8%(推計値)に拡大した。レジャー需要の「安・近・短」への集中などで減収となったものの、原価管理体制の強化により、売上高営業利益率は改善した。

 一方、オーストラリアでのホテル事業は、景気後退によりゴールドコースト、ブリスベンともに客室稼働率が低下したうえ、円高傾向による業績評価の目減りもあり、売上高は31.5%減の13億3200万円、営業利益は86.3%減の3000万円となった。

 連結業績予想の修正は、単価の低い「安・近・短」への需要の集中、燃油サーチャージの値下げによる売上高の減少、新型インフルエンザによる需要の減退などを踏まえたもの。取扱人数はプラス成長する見通しであるものの、売上高は計画を下回る水準で推移。堅調であった夏の業績も落ち込み分をカバーできる規模ではなく、今後も同様の状況が続くと予想した。

※2008年10月期(2007年11月1日〜2008年7月31日)にスカイマーク(BC)株の投資有価証券評価損19億6500万円を特別損失として計上