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JATA北京研修、新旧の魅力活用を−「必ず送客する気持ち」が重要

  • 2009年9月7日
 日本旅行業協会(JATA)は、大型研修旅行「北京−旅游新発見」の3日目となる9月4日、代表団役員と北京市旅游局による会見および北京市旅游局主催の研修セミナー、昼食会を開催した。日本からの参加者総勢204名および現地の業界関係者40名が出席し、現在の北京観光の紹介や現地旅行会社によるプレゼンテーションを実施。JATA副会長で今回の研修旅行の団長を務めるジェイティービー(JTB)代表取締役会長の佐々木隆氏は、「古く変わらない北京と新しい北京を現地で実際に見て仕事に活用してほしい」と挨拶。その上で、「自分の中で北京へ何名送客するか決めてほしい」と述べ、「必ず送客するという強い気持ちを持つことで、より多くの新たな発見がある」と強調した。

 北京市旅游局副局長の顧暁園氏は、「日本は重要なマーケットであり、観光や教育旅行、メディアなどと絆を構築している。日本の旅行業界とパートナーシップをとっていきたい」と言及。新型インフルエンザと経済危機にみまわれる中でも、上半期だけで旅行者数が8540万人、国内だけでも836万人が訪れたといい、「2008年の北京オリンピックが観光産業に大きな影響を与え、こうした増加を導いた」と強調。発展を続ける北京の近代的な面を見ることで新たな発見があり、送客につながることを訴えた。

 会談では、日本から北京への送客増加だけでなく相互交流拡大に向けても話された。佐々木氏は、「今回は200名を超える熱心な旅行業界関係者が参加している。今回の研修が北京への送客につながるだろう」と挨拶すると、顧氏は北京と日本の旅行業界のより密接な関係構築を約束。中国個人観光ビザの解禁などにより、「日本からのインバウンドだけでなく北京から日本を訪れるアウトバウンドの増加にも期待したい」と話した。

 研修旅行参加者の多くは「北京のイメージが変わった」と話しており、「セミナーだけでなく実際に現地に来て自分の目で見ることが大切」、「オリンピック後に発展したと聞いていたが、それが現実に実感できた」などの意見が聞かれた。


▽制度面でも日本市場重視−一般観光客向け優遇策も実施

 北京市旅游局では1000万元の奨励金制度を導入している。これは海外の旅行会社の宣伝費用の補助や送客に対する報奨金の制度。同局ディレクターの王清氏は、「特に日本市場を重視している」とし、日本向けには2008年11月に200万元を投入したことを紹介。今後も優遇政策の拡大をはかる方針で、現在は団体旅行の種類や規模、人数などに応じて一定の補助金を提供しているが、2010年内をメドに一般観光客向けに観光施設入場料の割引や資料の提供などを推進したいという。


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