今年度のニューツーリズム実証事業に28ツアー 観光庁

 観光庁は7月15日、2009年度のニューツーリズム創出・流通促進事業で実証事業を行う全国28ツアーを採択した。グリーンツーリズムやエコツーリズム、産業観光などを切り口に地域資源を生かしたツアーで、いずれも今年度中にモニターツアーを実施し、定番旅行商品としての可能性を探る。

 事業は今年で3年目。採択されたツアーに対しては、観光庁が30万円程度を助成する。6月16−30日に公募し、各運輸局に設置されている観光まちづくりアドバイザリー会議で審査していた。

 近畿運輸局では7月6日、応募のあった6件のうち3件を採択した。昨年に重点支援地域として、近畿観光まちづくりアドバイザリー会議(吉兼秀夫座長=阪南大学教授)がアドバイスした兵庫県加西市は「里山体験と田舎料理」と題した日帰りツアーで応募した。野菜収穫や里山整備体験のほか、どぶろく製造体験などを組み合わせ、田舎料理や五右衛門風呂体験も盛り込んだ。田舎暮らしに関心のあるファミリー層をターゲットとし、審査に当たった会議のメンバーから「移住促進を見据えたユニークな取り組み」と評価を得た。

 また、京都市の「きょうとリラクゼーションツアー」は、京町家で水引工芸の製作体験をすることで脳を活性化したり、京野菜を使ったヘルシーな昼食、禅僧の法話など癒しと健康を前面に打ち出した。奈良県桜井市の「卑弥呼の里で魅力体験」は、纏向遺跡や箸墓古墳などの視察と長谷寺の朝勤行の見学などをセットした。


情報提供:トラベルニュース社